風車祭(カジマヤー) 池上永一


『風車祭』は、九十七歳の長寿を祝う祭りのこと。石垣島を舞台とするこの物語は、純真素朴な沖縄の高校生を主人公に、魂(マブイ)のまま246年間生き続けている少女やら、六本足の妖怪豚やら、長生きに異常なまでの執念を燃やす老婆(オバァ)たちが繰り広げるドタバタ活劇だ。
主人公は魂(マブイ)の少女に惚れて、六本足の豚に惚れられ、自らも魂(マブイ)を落としてしまい、そしてニライ神は沖縄の滅亡をさりげなく告げる。主人公の恋の行方と沖縄の運命は如何に?というのがこの話の縦糸なのだが、この縦糸を縦横無尽に蹂躙しているのが長生きに異常なまでの執念を燃やすオバァ、フジの物語だ。とにかくこのフジの存在は強烈である。洪水で水没した町をボートで繰り出し、スーパーを強奪しに行くは、246年生き続けている霊に長生きの秘訣を教えろとおどすは、すべては長生きして風車祭を迎えるため。そのためには危ない橋は他人に渡らせ、ストレスがたまらないように、我が儘の限りを尽くし、どんな手段を使っても、どんな迷惑をかけようと、おもしろおかしく生き抜こうとするのだ。
最高にあかるく、最高におもしろく、そしてちょっぴり切ない物語。
読み終えるのがもったいなく、いつまでも読み続けていたいのにページをめくる手が止まらない、マジックリアリズムの傑作。
とまぁ、てぃーだブログにふさわしそうな本の話から始めておこう。

コメント

  1. 風車祭

    風車祭って本を読みました^^
    石垣島を舞台にしているストーリーなのですが、面白かったぁです!
    ドタバタが中心なのですが、その中にもキラリと光る
    感動的な描写が印象的でしたよ^^
    それにしても最近いろいろなジャンルの本を読んでますなぁ〜
    読書って最高で….

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