ハードカバーとして出た本は、やがて新書版として再版され最後は文庫版として出版されるというパターンがある。
まぁ、物事には何でも例外というものがあって、新書版にはならずに文庫化したり、いつまでもハードカバーのままで文庫になろうとしないものがあったり、なかには文庫で出た本がハードカバーになったりすることもある。
そういう例外的なものはさておいて、順当な流れだった場合に、不文律というか暗黙の了解的なこととして「価格が本のサイズに応じて安くなる」というものがある。
心情的には当たり前の話で、小さい文庫よりも大きいハードカバーのほうが安かったりしたばあい、非常に損をした気分になる。
が、「オルファクトグラム」にはびっくりさせられましたよほんと。
ハードカバー版は1,995円で新書版は1,680円、これは納得がいく値段なのだけれど、文庫版は分冊されたので上巻860円下巻770円と併せて1630円。新書版と50円しか違わないのである。
50円ですよ、50円。
新書版のほうを探して買いそうになりましたよ。
京極夏彦の妖怪シリーズが分冊せずに、あの分厚いままで文庫化されているのは、分冊すると新書版よりも値段が高くなるからという話を聞いたことがあるけれど、「オルファクトグラム」は分冊しないことには文庫化できなかったのだろう。もちろん、文庫になったから必ずしも安くなるというのは間違いで、どのくらい売れるかというのが価格に直結しているのだけれども、本の内容がおもしろかっただけに値段がちょっと高いのが残念。
来月は「姑獲鳥の夏」が分冊文庫版として上下巻で出版される。その値段が楽しみである。
コメント
今秋映画化
「姑獲鳥の夏」 京極夏彦著今秋映画化ですね。キャスティングが意外すぎて、目が離せない事この上なし。取り敢えず、話の内容を鑑みるに、これをどうやって実写にするんだろうとか、