他人の不幸と苦しみがこんなにおもしろくていいのだろうか?
吾妻ひでおが過去に失踪をしていたことがあったのは知っていたけれども、まさか本人がその出来事を漫画にしてしまうとは思っても見ませんでした。
本当に悲惨だった部分は描かなかったとはいうものの、描かれている部分だけ見ても十分に壮絶。そして、ホームレスをしていても驚くほどバイタリティにあふれています。それをここまでおもしろおかしく描いてしまうことが出来るのは、吾妻ひでおの持つ才能だろう。
しかし、ここまで自分を客観視出来る人間でも、失踪したくなるほど自分を追い詰めてしまうのであります。
「夜を歩く」「街を歩く」「アル中病棟」と三部に分かれているのですが、それぞれ絵が違います。一番すごいのはやはり「夜を歩く」の第一話でしょう。これだけが一番古い時代に描かれたということで改めて見直してもやはり他の絵とは違い、すごみがあります。
カバー裏もおまけがあるので必見です。
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