谺 健二
とにかく疲れました。頭も腕も。
酒鬼薔薇事件を中心の題材として、その他にこれでもかというほど類似する事件を詰め込んで、さらにそれでも足りないのか、作中作として超越推理小説「赫い月照」までも入れ込んであります。
とくに超越推理小説「赫い月照」はミステリというよりも幻想小説といった方がよく、読んでいてめまいがしそうになります。
300ページを過ぎるまでメインとなる事件は起こらないし、180ページを残して犯人の名前は暴露されたりと歪な構成となっています。しかし、300ページになるまで事件が何も起こらないわけではなく、メインの事件などどうでも良くなるような事件と謎が提出されるし、犯人の名前が判った後でも驚くべき出来事がまっていたりします。
惜しむらくは、解かれないままの謎があったり、トリックが物理トリックばかりだったり、必然性のあまりない、いわばトリックの為のトリックだったりと欠点を探そうとすればいくらでも見つかること。では、失敗作かといえばそうではなく、先に挙げた欠点などどうでも良くなってしまうほどの凄みがこの小説にはあります。
傑作とは言わなくても問題作であることは確かであり、ミステリが好きな人間であれば読むべき価値はあると思います。
しかし、自分の作り上げた名探偵に、ここまで過酷な運命を背負わせた作家は他にはいないのではないでしょうか。
酒鬼薔薇事件を中心の題材として、その他にこれでもかというほど類似する事件を詰め込んで、さらにそれでも足りないのか、作中作として超越推理小説「赫い月照」までも入れ込んであります。
とくに超越推理小説「赫い月照」はミステリというよりも幻想小説といった方がよく、読んでいてめまいがしそうになります。
300ページを過ぎるまでメインとなる事件は起こらないし、180ページを残して犯人の名前は暴露されたりと歪な構成となっています。しかし、300ページになるまで事件が何も起こらないわけではなく、メインの事件などどうでも良くなるような事件と謎が提出されるし、犯人の名前が判った後でも驚くべき出来事がまっていたりします。
惜しむらくは、解かれないままの謎があったり、トリックが物理トリックばかりだったり、必然性のあまりない、いわばトリックの為のトリックだったりと欠点を探そうとすればいくらでも見つかること。では、失敗作かといえばそうではなく、先に挙げた欠点などどうでも良くなってしまうほどの凄みがこの小説にはあります。
傑作とは言わなくても問題作であることは確かであり、ミステリが好きな人間であれば読むべき価値はあると思います。
しかし、自分の作り上げた名探偵に、ここまで過酷な運命を背負わせた作家は他にはいないのではないでしょうか。
コメント