あの頃ゲームも好きでした

スラムオンライン

コメント

  1. スラムオンライン/桜坂洋

    (ハヤカワ文庫)
    Aボタンをクリック。僕はテツオになる・・・現実への違和感を抱えた大学1年の坂上悦郎はオンライン対戦格闘ゲーム<バーサス・タウン>のカラテ使い・テツオとして、最強の格闘家を目指していた。大学で知り合った布美子との中は進展せず、無敵と噂される辻斬りジャックの探索に明け暮れる日々。リアルとバーチャルの狭間でゆれる悦郎は、ついに最強の敵と対峙するが・・・。
    主人公の悦郎は、<バーサス・タウン>というネットゲームの中ではカラテ使いのテツオとして知られた存在。タウン最強の四天王にも匹敵する実力の持ち主として、次の大会のダークホースと目されている。
    一方リアル世界で悦郎は同じ大学の学生、布美子と出会い、不思議な雰囲気を持つ彼女に惹かれていく。
    タウンではそのころ、辻斬りジャックと呼ばれる謎のキャラクターの話題で持ちきりになっていた。四天王さえも及ばない強さを持つというジャックに興味を覚えた悦郎は、探索を開始する・・・。
    というストーリーで、んー、なんていうか今風の青春小説っていう感じですね。悦郎はネットゲームにはまっているけど、リアルに支障をきたすほどではない普通の青年。ネットにドップリはまった友人を少しうらやましく思ったりもするけど、そこまではできないという性格。そんな微妙な彼が布美子に出会い、これまで味気なかったリアル世界に生きがいを見出していく。
    やっぱりネットは虚構、大事なのはリアルだよね!てな展開かと思いきや、この小説ではリアルとネットが等価な空間として描かれているのが面白いところです。悦郎がテツオとして活躍するバーサス・タウンは、独特の現実感、空気感があって魅力的。さすがに子供の頃からゲームをやってきたという作家さんだと感心しました。
    で、布美子との出会いが悦郎を変えていったりするんですが、その成果はもっぱらゲーム世界で発揮されたりする。逆にゲーム世界での成長がフィードバックされて、リアル世界で一歩を踏み出せたり。
    そんな風に、ネット世界というものをリアルの地続きとして描写するという感覚は、なかなか新しいのではないかと思います。格闘(ゲーム)シーンも、全くその手のゲームはやらない僕でも面白く読めたくらいなので好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか。
    リアルでは彼女をゲット、ネットでは最強格闘家と、すべてを手に入れる悦郎の青春は正直言って甘い、大甘じゃねーかと思わなくもありません。でもまあ、全般的にゆるい空気の漂う世界なのでそういうのもありかな、と。実はこういうほんわかしたハッピー話嫌いじゃないですし。桜坂さんはライトノベル系が主戦場みたいですが、しばらく追いかけてみようかと思います。
    ちなみに僕も5年位前ウルティマオンラインっていうネットゲームやってました。まる1年くらいやったけど、ドラクエ10回くらいクリアできる時間をつぎ込んだような気が・・・オフ会なんかもやったし楽しかったですけど、今からはもう、あの修羅の道には戻れないなあ。
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    釈尊法話 猟奇の果さん
    ・すごい大絶賛されてる。僕のこの記事を読んで本作に興味を持った方は、ぜひこちらの紹介を読んでほしい。
    アルファ・ラルファ大通りの脇道さん
    ・確かに挿絵はすごく良い感じです。
    ところで、ハヤカワの新刊「サマー/タイム/トラベラー」というのがすごく気になっているのだが・・・。SF、夏、タイムトラベル・・・この題材で面白くなかったら頭くるだろうな〜。

  2. take_14 より:

    こんばんは。take_14と申します。
    先日ライスの記事にもトラックバックさせていただいてました。
    スラムオンライン、挿絵も含めて雰囲気のぬるい感じが学生時代を思い出してよい感じでした。作者さんは70年生まれだそうです。もっと若いかと思っていたので意外でしたが、だからこそ30代の読者(僕も含めて)に受けがイイのかもしれませんね。

  3. ラノベ365日 より:

    スラムオンライン/桜坂洋

    『スラムオンライン』 桜坂洋 ハヤカワ文庫 【格ゲー好きの廃人にもなれない凡人の話】 いたる所で絶賛されてるのは知ってますし、 桜坂フリークからの反感を想像するがあえて言おう。 ゚Д゚)つまらん 初っ端、ただAボタンを押すだけの描写に、 わざわざ1ページ半..

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