北野勇作
こんなに薄かったのだろうかと思ってしまった北野勇作の「どーなつ」。
「あとがき」と「文庫の為のあとがき」と「解説」と表紙の絵を描いた西島大介の漫画まであるので、本文は実質270ページ弱。
戦争があったらしいが、それが終わったのかもしれないしまだ続いているのかもしれない。半径五キロのもやが現れて、そこに入るといつの間にか記憶と人格が組み替えられてしまう。「人口知熊」という熊の形をした作業機械はなんだか自立して動いているみたいだ。アメフラシの知能を発達させる研究をしている科学者はいったい何をしようとしているのか。そして落語の「あたま山」。この本はそんな十の物語である
けっして難解ではなく、むしろわかりやすい文章なのに何がどうなっているのかさっぱりわからないという不思議な物語。
それぞれの物語がどういう風につながっているのか、どれが真実でどれが虚実なのか。全てが曖昧で全てがつながっている。
それがゆえに心にひびく喪失感がある。
まるでどーなつの穴のような。
「あとがき」と「文庫の為のあとがき」と「解説」と表紙の絵を描いた西島大介の漫画まであるので、本文は実質270ページ弱。
戦争があったらしいが、それが終わったのかもしれないしまだ続いているのかもしれない。半径五キロのもやが現れて、そこに入るといつの間にか記憶と人格が組み替えられてしまう。「人口知熊」という熊の形をした作業機械はなんだか自立して動いているみたいだ。アメフラシの知能を発達させる研究をしている科学者はいったい何をしようとしているのか。そして落語の「あたま山」。この本はそんな十の物語である
けっして難解ではなく、むしろわかりやすい文章なのに何がどうなっているのかさっぱりわからないという不思議な物語。
それぞれの物語がどういう風につながっているのか、どれが真実でどれが虚実なのか。全てが曖昧で全てがつながっている。
それがゆえに心にひびく喪失感がある。
まるでどーなつの穴のような。
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