リチャード・ブローティガン〔著〕 / 藤本和子訳
手強い本でした。
口当たりは非常に良いのですが、いざ読み始めると手強いことこの上なしです。この本を読むのはまだ十年早かったのではと思いそうになりました。もっとも、本の方からはお前がこの本を読むのは百年早いと言ってきそうでしたが。
口当たりは非常に良いのですが、いざ読み始めると手強いことこの上なしです。この本を読むのはまだ十年早かったのではと思いそうになりました。もっとも、本の方からはお前がこの本を読むのは百年早いと言ってきそうでしたが。
銅像の土台のまわりには、世界の四つの方角に向けて、四つのことばが彫りつけてある。東に向けて、ようこそ、西に向けて、ようこそ、北に向けて、ようこそ、南に向けて、ようこそ。
手強いくせに素敵じゃありませんか、この文章。駄目ですか?
ある意味、この文章に騙されたって気もしないでもないのですが、騙されてもかまわないじゃないですかね。好きな音楽をBGMにしながらこの本を読んでいると、ああ、何時までもこのままこの文章を読んでいたいって気分にさせられます。
けれども小説を読まない人から見れば、全くの無意味な時間なのだろうと思います。読書のための読書とでもいいましょうか、何か特別な役に立つ知識が増えるというわけでもありません。
しかし、意味なんかなくったっていいじゃないか。
積読になっている「西瓜糖の日々」も涼しくなりだす初秋にでも読んでみようと思います。
同じく積読のままの「見えない都市」も。
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