最相葉月著
なんだか新潮社の商売方法にうまく乗せられてしまったような気がする。この本を買ってしまったのは同時に星新一の本が2冊も出たせいで、この本単独で文庫化されていたとしたら買わなかった可能性が高い。
で、読んでみると星新一論としてはまったくの期待はずれだったのだけれども、星新一要素を取り除いた部分はそれなりに面白かったので差し引きゼロといったところ。ようするに星新一の作品をネタにサイエンスコラムを書いてみましたといったところであって、このブログで私がやろうとしているやり方と似ている。べつに星新一をからませなくっても十分になりたっているのである。売れるかどうかはべつとして。
星新一が時事ネタは廃した作風だったのにたいして、作者自らが時事ネタ満載のショートショートを披露しているのには苦笑せざるを得ないのだが、まあそれはご愛敬として深読みしすぎというか牽強付会すぎるよと思うところひとしお。タイトルに「あのころの未来」とつけておきながらも作者が作品と結びつけているのは現実の世界であって、「あのころの未来」はこの本のなかにはどこにもない。
たとえば、高層ビルに住む未来の世界がたくさん書かれていることから星新一は…と高層ビル論に話を展開していくのだけれども、そんなに難しく考えなくってもいいだろうと言いたい。あのころの未来社会といえば高層ビルが立ち並ぶ世界であって、文中に62階に住むなどど書かれていたらそれだけでこの話は未来の話であるという決まり事が成立していた時代だったのだ。文字数に制約のあるショートショートではそういう約束事が文字数の削減に役立っていただけに過ぎないのだと思う。だから多用したのだ。
もちろん、読み手が読んだ小説をどのように解釈しても構わない。だけれどもそれが作者の意図していることと同じであるとは限らないし、断定してもいけない。
で、読んでみると星新一論としてはまったくの期待はずれだったのだけれども、星新一要素を取り除いた部分はそれなりに面白かったので差し引きゼロといったところ。ようするに星新一の作品をネタにサイエンスコラムを書いてみましたといったところであって、このブログで私がやろうとしているやり方と似ている。べつに星新一をからませなくっても十分になりたっているのである。売れるかどうかはべつとして。
星新一が時事ネタは廃した作風だったのにたいして、作者自らが時事ネタ満載のショートショートを披露しているのには苦笑せざるを得ないのだが、まあそれはご愛敬として深読みしすぎというか牽強付会すぎるよと思うところひとしお。タイトルに「あのころの未来」とつけておきながらも作者が作品と結びつけているのは現実の世界であって、「あのころの未来」はこの本のなかにはどこにもない。
たとえば、高層ビルに住む未来の世界がたくさん書かれていることから星新一は…と高層ビル論に話を展開していくのだけれども、そんなに難しく考えなくってもいいだろうと言いたい。あのころの未来社会といえば高層ビルが立ち並ぶ世界であって、文中に62階に住むなどど書かれていたらそれだけでこの話は未来の話であるという決まり事が成立していた時代だったのだ。文字数に制約のあるショートショートではそういう約束事が文字数の削減に役立っていただけに過ぎないのだと思う。だから多用したのだ。
もちろん、読み手が読んだ小説をどのように解釈しても構わない。だけれどもそれが作者の意図していることと同じであるとは限らないし、断定してもいけない。
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