真説ルパン対ホームズ

ようやくイーガンの「ディアスポラ」を読み始めたのですが、ページをめくる速度が急激に遅くなりました。積読本がまたしても増加していきます。

芦辺拓著

ルパンもホームズもほとんど読んでいないのに芦辺拓の『真説ルパン対ホームズ』を読みました。なのでパスティーシュとして良くできているのかできていないのかさっぱりわかりません。なのに何でこの本を読んだのかといえば、こういう遊び心にあふれた話が好きだからなのであります。
で、面白かったかどうかと言えば、どの話も良くできている割には事件そのものは大した事件ではないので今ひとつ。
パスティーシュではなくパロディになるのだけれども、ロバート・L・フィッシュの『シュロック・ホームズ』シリーズを読んで大爆笑した身としては、真面目なパスティーシュよりも笑いのあるパロディの方が好みとなってしまう。そういう点では、鮎川哲也のパスティーシュである、「田所警部に花束を」は割と面白かったのだけれども、滑稽さの突き抜け具合が足りなくて残念。もっとも『シュロック・ホームズ』シリーズと比較する方が間違っているけれども。
一方、多数の名探偵が共演するパロディといえば、マリオン・マナリングの「殺人混成曲」がありました。都筑道夫が采配を振るって、翻訳の方もそれぞれ原典版の担当翻訳者を使って翻訳させたという手の込みよう。積読のままとなっているのでいつか読まなきゃ。