龍宮 | Byroad Of The Alpha Ralpha Boulevard

アレステア・レナルズの「啓示空間」を書店で見かけて自分の目を疑いました。
あまりにも分厚すぎます。おまけに青背ではありません。まあ厚さの点では京極堂シリーズのほうが上回っていますが、ダン・シモンズの「ハイペリオン」だって文庫化したときには上下巻に分冊していましたから、いったい何があったのでしょうか。
躊躇しましたが……ええ、買いましたとも。

竜宮

川上弘美著

どうにもとらえどころのないお話が八編。
面白さよりももどかしさの方が先走ってしまいました。まあようするに、こんなところで終わらせずにもっと続きを読ませてくれよ、ということなんですが。
相変わらず年の離れた恋愛が出てくるのだけれども、「センセイの鞄」とはまったく別方向の話なので、そういう傾向の話を求めている人は要注意。読んでいるとなんだか彼岸の彼方へと行ってしまいそうになる話ばかりです。
というのはちょっと言い過ぎか。
「荒神」は主人公が漆喰を食べるところから、妊娠しているのではないかと思ったのですがそれらしい描写は他にはなかったので考えすぎのようでした。
「轟」はなんだか筒井康隆の「驚愕の曠野」を思い出してしまったのですが、何でだろう。