疾走!千マイル急行

「啓示空間」で検索してくる人が多いのだけれども、まだ読んでいません。今読んでいる「ブルースカイ」を読み終えた後は、ウルフの「調停者の鉤爪」を読む予定なので、読み始めることが出来るのはまだまだ先です。大人としての自粛をしているつもりですが、積読本が増大しております。
経験上、積読本というのは増えることはあっても減ることはありません。

疾走！千マイル急行上
疾走！千マイル急行下

小川一水著

間に「老ヴォールの惑星」を挟んだ形となりましたが「疾走!千マイル急行」上下巻読み終えました。
「第六大陸」や「復活の地」、そして「老ヴォールの惑星」と比べてしまうと多少見劣りがしてしまうのだけれども、ジュブナイルとしてみれば王道的なお話ですからそれ以上の話を期待してはいけません。
それにしても相変わらずひたすら前向きな物語で、まぶしいくらいですよ。もう少しドロドロとした部分や闇の部分があってもいいかなとも思うのですが、たぶん作者はそんなこと知っててやっているんでしょう。次々と厄介な問題が起こるけれどもどんどんと前向きに解決していく。逃亡の旅なので優雅な列車の旅の雰囲気は味わうことが出来ないのだけれどもそれは仕方ありません。
上巻は当面の目的地にたどり着くまでの話、下巻はその後の展開となるわけですが、ラストはちょっと地味ながらも感動的。終わりよければ全て良しといった感じです。「第六大陸」や「復活の地」のラストよりも好きです。
ああ、列車に乗って旅がしたくなりました。