エドモンド・ハミルトン著 / 野田 昌宏訳
キャプテン・フューチャー全集において「異次元侵攻軍迫る!」は、カップリングされた作品の条件の悪さも手伝ってシリーズ屈指の出来の悪さだったけれども、「フューチャーメン暗殺計画」は汚名返上といったところでした。執筆背景にどのような事情があったのかはわかりませんが、今作ではジョセフ・サマクソンの筆は乗りに乗っています。その乗り具合がどのくらいかというとフューチャーメンの一人、オットーを殺してしまうぐらいです。もっとも、オットーはアンドロイドなので、リセットボタンを押すがごとく、再起動して生き返りますが…
題名にもあるように今回の事件の黒幕はフューチャーメン暗殺を企みます。「計画」とあるくらいなのでさぞかし入念な計画が立てられ、暗殺の実行は話の中盤あたり、メインの見せ場になるだろうと思いきや、かなり最初の方で、いきなり暗殺実行をしてしまいます。もちろんフューチャーメンは暗殺されるわけもなく助かるのですが、カーティス・ニュートンは記憶喪失になってしまうのです。自分の名前と人間関係だけが思い出せないけれど、それ以外は全て覚えているという、ちょっと都合の良すぎる記憶喪失ですが、フューチャーメンになりすまして悪事を企むニセモノが登場したりと、話そのものは結構複雑で面白い。
それに比べてハミルトンの筆による「危機を呼ぶ赤い太陽」の方はというと、二番煎じのアイデアばかりで今ひとつ。ただし、驚くべき事実が一つ明かされます。今までシリーズ中における具体的な時間の経過は明記されていなかったのですが、ここにきて振動ドライブを開発してから十年の歳月が流れたと語られるのです。ヴイトロンという長寿の薬があり、青年期が長くなったとはいえ、十年の歳月ですよ。青年ヒーローだったキャプテン・フューチャーも中年ヒーローになろうとしているのです。
題名にもあるように今回の事件の黒幕はフューチャーメン暗殺を企みます。「計画」とあるくらいなのでさぞかし入念な計画が立てられ、暗殺の実行は話の中盤あたり、メインの見せ場になるだろうと思いきや、かなり最初の方で、いきなり暗殺実行をしてしまいます。もちろんフューチャーメンは暗殺されるわけもなく助かるのですが、カーティス・ニュートンは記憶喪失になってしまうのです。自分の名前と人間関係だけが思い出せないけれど、それ以外は全て覚えているという、ちょっと都合の良すぎる記憶喪失ですが、フューチャーメンになりすまして悪事を企むニセモノが登場したりと、話そのものは結構複雑で面白い。
それに比べてハミルトンの筆による「危機を呼ぶ赤い太陽」の方はというと、二番煎じのアイデアばかりで今ひとつ。ただし、驚くべき事実が一つ明かされます。今までシリーズ中における具体的な時間の経過は明記されていなかったのですが、ここにきて振動ドライブを開発してから十年の歳月が流れたと語られるのです。ヴイトロンという長寿の薬があり、青年期が長くなったとはいえ、十年の歳月ですよ。青年ヒーローだったキャプテン・フューチャーも中年ヒーローになろうとしているのです。
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