松尾 由美著
古今東西のミステリ作家は様々な安楽椅子探偵を作り出しましたが、本当の安楽椅子を探偵にしてしまう作家がいるとは思いませんでした。
ひょっとしたら、ハチャハチャSF時代の横田順彌ならば書いたかも知れません。いまだったら田中啓文でしょうか。鯨統一郎が同様の設定で短編を書いているらしいけれども、こちらは未読。
しかし、松尾由美はそんなギャグにしかならないような設定で、大まじめなミステリを書いてしまいました。
主人公が小学生なので殺人事件などは起こらないけれども、「日常の謎」系の話なのは第一話だけで、それ以外はわりと主人公の世界から離れた世界での謎です。
さらには結構シビアな現実問題を見せつけるような部分もあって、なかなか侮れません。とんでもない設定を違和感なく読ませてしまうのは作者の雰囲気作りのうまさ故のものだろうけど、最終話で変に理由付けしてしまったのが残念。作者の理由付けについていけなかったせいか、なんだか突然現実に戻されてしまった感覚です。
もっとも夢というのはいつか醒めるものだからしかたないか。
ひょっとしたら、ハチャハチャSF時代の横田順彌ならば書いたかも知れません。いまだったら田中啓文でしょうか。鯨統一郎が同様の設定で短編を書いているらしいけれども、こちらは未読。
しかし、松尾由美はそんなギャグにしかならないような設定で、大まじめなミステリを書いてしまいました。
主人公が小学生なので殺人事件などは起こらないけれども、「日常の謎」系の話なのは第一話だけで、それ以外はわりと主人公の世界から離れた世界での謎です。
さらには結構シビアな現実問題を見せつけるような部分もあって、なかなか侮れません。とんでもない設定を違和感なく読ませてしまうのは作者の雰囲気作りのうまさ故のものだろうけど、最終話で変に理由付けしてしまったのが残念。作者の理由付けについていけなかったせいか、なんだか突然現実に戻されてしまった感覚です。
もっとも夢というのはいつか醒めるものだからしかたないか。
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