池沢 夏樹著
現在の日本国憲法が英語原文を翻訳したものであることと同様に、池澤夏樹が英語原文を新たに翻訳しなおしてみた本。
訳文が法律用語的に適切な言葉となっているかどうかは別として、日本国憲法の文章と比べてみると非常にわかりやすい文章となっている。
わかりやすいってのは実に良いことで、物事の本質が見えやすくなってくる。
たとえば、第9条の一部
訳文が法律用語的に適切な言葉となっているかどうかは別として、日本国憲法の文章と比べてみると非常にわかりやすい文章となっている。
わかりやすいってのは実に良いことで、物事の本質が見えやすくなってくる。
たとえば、第9条の一部
国の交戦権は、これを認めない。
は池澤夏樹訳では、
国というものには戦争をする権利はない。
となる。国民主権という点においては池澤夏樹訳の方が憲法というものに関して理解しやすいのだ。
もっとも、個人が訳したものだから何らかのバイアスがかかっている可能性もあるのだけれど、翻訳する以上どのようにやっても元の言語を正しく翻訳することなど不可能なのだから、日本国憲法と池澤夏樹訳ではどちらが素晴らしいと思うか、の方が大切だと思う。結果として素晴らしい憲法があればそれでいいのだから。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
社会ぜんたいの、幸福と、安全と、健康が実現するように、国は生活のあらゆる面に対して努力を重ねなければならない。
改めて憲法を読み直してみて、憲法と矛盾する法律がたくさんあることに驚いてしまう。そして何故なんだろうと考えてしまう。
今の憲法が理想的過ぎるからなのだろうか、でも憲法なんて理想主義的なほうが良いに決まっている。理想を掲げない国に魅力なんて無いんじゃないだろうか。
コメント
提言 日本国憲法
じゃん Vol.30
財団法人 横浜市教育文化研究所の季刊誌で2006年春号です。提言日本国憲法という特集をくんでいます。
janというのは、JUST ANSWER FOR NEXT−GENERATIONからとったようです。