ジョルジュ・ランジュラン著 / 稲葉 明雄訳
何度か映画化された「蝿」が有名なジョルジュ・ランジュランですが、フランス人作家だと思っていたら、両親も含めてイギリス人だったのにはちょっとびっくりしました。
全体としては「怪奇大作戦」や「ウルトラQ」に連なる系統の話が多いのだけれども、老犬が飼い主の窮地を救う心温まる話があったりして意外なほどバラエティ豊かな内容、しかしそれ故にか、これといった特徴が見えにくくなってしまっているのもまた事実です。
理にかなった怪奇小説といってもいいのかも知れません。発表当時は意外な結末だったのかもしれないけれども、今あらためて読んでみると、真っ先に思いつく真相向けて一直線。しかしアイデアの古さ加減がちょうどいい具合で意外性を求めなければ結構楽しめるはずです。
もっとも全ての話がそうではなく、「忘却への墜落」 や「御しがたい虎」 などはストレートすぎるためにかえって意外な結末になってしまっていたりとするので、読み手の意識の違いによってどの話が面白かったのかが違ってきそうな気もします。
それにしても子供の頃に見た「蝿男の恐怖」のラストはショッキングでした。小説の方では「白い頭の蝿」としか説明されていないのですが、映画の方では人間の頭を持つ蝿となっていて、それが「Help me!」と叫んでいるのですから。
全体としては「怪奇大作戦」や「ウルトラQ」に連なる系統の話が多いのだけれども、老犬が飼い主の窮地を救う心温まる話があったりして意外なほどバラエティ豊かな内容、しかしそれ故にか、これといった特徴が見えにくくなってしまっているのもまた事実です。
理にかなった怪奇小説といってもいいのかも知れません。発表当時は意外な結末だったのかもしれないけれども、今あらためて読んでみると、真っ先に思いつく真相向けて一直線。しかしアイデアの古さ加減がちょうどいい具合で意外性を求めなければ結構楽しめるはずです。
もっとも全ての話がそうではなく、「忘却への墜落」 や「御しがたい虎」 などはストレートすぎるためにかえって意外な結末になってしまっていたりとするので、読み手の意識の違いによってどの話が面白かったのかが違ってきそうな気もします。
それにしても子供の頃に見た「蝿男の恐怖」のラストはショッキングでした。小説の方では「白い頭の蝿」としか説明されていないのですが、映画の方では人間の頭を持つ蝿となっていて、それが「Help me!」と叫んでいるのですから。
コメント
はじめまして。
やっぱり『蠅』は名作ですよね。僕が最初に見た映画版はリメイク版ですごい話だなと思ったのですが、後で原作を読んでみて、こちらもなかなか捨てがたい味があると感じました。
たしかに全体的にアイディアが古びている感がありますが、個人的にはその古さ加減が、懐かしの怪奇SFという感じで好きです。
ああ、リメイク版も好きなんですよ。ラストで転送ポッドと融合してしまうむちゃくちゃ加減というか、どうやっても元に戻りそうもない絶望さの部分が特に。