山本 弘著
山本弘の小説を読むのはこれが初めて。一読して思ったのは、古き良き時代のアメリカSFを読んでいるような雰囲気があるということ。だいたい50年代ぐらいのSFじゃないでしょうか。ご本人もそのあたりのSFが好きそうなので意識して書いているのかそれとも無意識にそうなってしまうのか……。
それにしても「メデューサの呪文」の最後のオチなんてフレドリック・ブラウンのある短編を思い出しましたよ。難点は、言語の力についての話なのに語り口に力がなくって、凄さがあまり伝わって来ないということ。
もう一つ感じたのは、小説でも小説以外の文章でもテンションが高いというか、独特の熱意みたいなものがあってそれがこちら側にビシビシと伝わってくるということ。実際はどうなのかわからないけれども興奮して書いているような感覚なのです。もう少し作品を突き放して書いてくれるとありがたいというか読んでいて胸焼けせずに済むのですが…。
「シュレディンガーのチョコパフェ」が特にそうで、あとがきでバカSFだからそれ以外の部分はできるだけリアルにしようとした、と書いているんだけれども作者が持ち込んだリアルさというのがオタク文化。オタク文化が悪いわけじゃないんだけれど、お前のリアルはオタク文化なのかと問いつめたくなりましたよ。変に言い訳めいたことなんて書かないで、自分の欲望と願望を書きたいままに書いてみましたと言ってくれた方がすっきりします。
ネタとしては好きなんだけれども、あまりにも感情むき出し過ぎなので、なんだか読んではいけないものを読んでしまった気分です。
それにしても「メデューサの呪文」の最後のオチなんてフレドリック・ブラウンのある短編を思い出しましたよ。難点は、言語の力についての話なのに語り口に力がなくって、凄さがあまり伝わって来ないということ。
もう一つ感じたのは、小説でも小説以外の文章でもテンションが高いというか、独特の熱意みたいなものがあってそれがこちら側にビシビシと伝わってくるということ。実際はどうなのかわからないけれども興奮して書いているような感覚なのです。もう少し作品を突き放して書いてくれるとありがたいというか読んでいて胸焼けせずに済むのですが…。
「シュレディンガーのチョコパフェ」が特にそうで、あとがきでバカSFだからそれ以外の部分はできるだけリアルにしようとした、と書いているんだけれども作者が持ち込んだリアルさというのがオタク文化。オタク文化が悪いわけじゃないんだけれど、お前のリアルはオタク文化なのかと問いつめたくなりましたよ。変に言い訳めいたことなんて書かないで、自分の欲望と願望を書きたいままに書いてみましたと言ってくれた方がすっきりします。
ネタとしては好きなんだけれども、あまりにも感情むき出し過ぎなので、なんだか読んではいけないものを読んでしまった気分です。
コメント
はじめまして。濫読ひでと申します。
トラックバックさせていただきました。
よろしくお願いいたします。
山本 弘 まだ見ぬ冬の悲しみも (3/2006) ☆☆☆☆☆
読んでノックアウトされてしまった。まさか、この本に五つ星をつけることになるとは思ってもみなかった。
濫読ひでさん、はじめまして。
なんだか否定的な記事なのにトラックバックしてもらってすいません。