藤崎 慎吾著
表題作は「クリスタル・サイレンス」の前日譚で、「星に願いを ピノキオ二〇七六」が後日譚なんだけど、実をいうと「クリスタル・サイレンス」は積読状態のままなので未読です。「クリスタル・サイレンス」を読んでいなければ話がわからないというわけではないんですが、特別面白いというわけでもなくどちらもごく普通の読後感。
それに比べると「猫の天使」は猫好きにとって、彼らが見る光景というのはいったいどんな光景なんだろうかと考えさせられてしまう話。ハード的な話から始まってトンデモ世界ギリギリの所まで行ったけど、うまくまとまった良くできた小品。最後の行き具合が人によっては駄目かも知れないけれど。
しかし、ここまではまあこんなものかとなめきっていましたよ。ところが「コスモノーティス」を読んで自分の間違いに気付き膝を正してまいました。
宇宙に乗り出すために原型をとどめないくらいに肉体改造をした未来の人類の物語。機械に頼るよりも、遺伝子操作とナノテクでもって様々な用途別に肉体を改造してしまった方が安上がりで効率的だってんで、肉体そのものが宇宙ステーションになってしまっている種族やら、デブリを回収する役目を担っている種族やらと、その変貌具合が素晴らしい。しかしなんといっても、主人公を「君」と呼ぶ二人称の語り口が読んでいて新鮮。物語を読むというよりも藤崎慎吾の解説付きのドキュメンタリーを読んでいるような気分です。二人称で語るってのはちょっとやられましたよ。
で、「コスモノーティス」があまりにも凄すぎたんで「星窪」はまあこんなものかというかんじ。
それに比べると「猫の天使」は猫好きにとって、彼らが見る光景というのはいったいどんな光景なんだろうかと考えさせられてしまう話。ハード的な話から始まってトンデモ世界ギリギリの所まで行ったけど、うまくまとまった良くできた小品。最後の行き具合が人によっては駄目かも知れないけれど。
しかし、ここまではまあこんなものかとなめきっていましたよ。ところが「コスモノーティス」を読んで自分の間違いに気付き膝を正してまいました。
宇宙に乗り出すために原型をとどめないくらいに肉体改造をした未来の人類の物語。機械に頼るよりも、遺伝子操作とナノテクでもって様々な用途別に肉体を改造してしまった方が安上がりで効率的だってんで、肉体そのものが宇宙ステーションになってしまっている種族やら、デブリを回収する役目を担っている種族やらと、その変貌具合が素晴らしい。しかしなんといっても、主人公を「君」と呼ぶ二人称の語り口が読んでいて新鮮。物語を読むというよりも藤崎慎吾の解説付きのドキュメンタリーを読んでいるような気分です。二人称で語るってのはちょっとやられましたよ。
で、「コスモノーティス」があまりにも凄すぎたんで「星窪」はまあこんなものかというかんじ。
コメント
[日本人作家]藤崎慎吾 レフト・アローン
レフト・アローンposted with amazlet on 06.04.02藤崎 慎吾 早川書房 (2006/02)Amazon.co.jp で詳細を見る あらすじ 21世紀なかば,各国コロニーが勢力争いを繰り広げる火星で,五感を制御されたサイボーグ兵士のジロウは熾烈な戦闘に従事していた − デビュー長編『クリスタル・サイエンス』の前日譚たる表題作,奄美在住の画家と不思議な石との交流が壮大なビジョンを紡ぐ,『ハイドゥナン』の姉妹篇的中篇「星窪」など,科学という言葉で語られた生命と宇宙の神話, …
レフト・アローン
藤崎 慎吾
レフト・アローン
「レフト・アローン」
藤崎慎吾・著
早川書房・出版/ハヤカワ文庫JA
『やっぱりSF作家だったんですね、、、』
「ハイドゥナン」で一般エンター界でもブレイクした
藤崎慎吾さんの、本邦初の短編集です。
クリスタル・サイレン