リイ・ブラケット著 / 鎌田 三平編
青心社というと士郎正宗とクトゥルー物のイメージが強いのですが、海外SFもわずかながら出版しておりました。リイ・ブラケットの「赤い霧のローレライ」もその中の一冊、驚くことにまだ現役で入手可能です。
さて、リイ・ブラケットといえばエドモンド・ハミルトンの奥さん、旦那の方はここ最近、翻訳に恵まれ再評価されているのですが、奥さんの方はそんなそぶりさえありません。ハミルトン人気の昨今、天の邪鬼な私は奥さんのほうも読んでみましたよ。
「赤い霧のローレライ」はレイ・ブラッドベリとの共作ですが、ブラッドベリらしさは皆無。ブラッドベリがブラケットに小説の書き方の教えを受けていたという話なので、物語そのものがブラケット風になってしまったのは仕方ない話かも知れません。
物語的なつながりは無いものの、その他の三つの短編も含めどれも金星を舞台にした物語。金星といっても高温多湿でありながら大気があり、もちろん当然のごとく金星人が住んでいる世界です。発表年は1946年ですが、当時のSF作品と比べてみてもさすがに一世代は昔の設定といわざるを得ません。
基本はヒロイック・ファンタジーなんだけれども、そのつもりで読むと、意外と細かいところでSF的な設定がなされていたりして驚くのですが、やはりここはブラケットのつむぎだすレトロな金星世界のムードに酔いしれながら読むのが正しい楽しみ方ともいえるでしょう。逆にムードを楽しめないと読むのが苦痛かも。まあ意気込んで読んでみたんですが、雰囲気になじめず結構苦痛でした。
「眠れる人の島」が出たのでであれば同系統の話を書いていたリイ・ブラケットの方も、夫婦セットの企画物として出てもおかしくないような気もするのですが、ハミルトンはプロットを完璧に仕上げた上でなければ書き始めなかったのに対して、ブラケットはプロットをろくに作らないで書き始めたといいます。ハミルトンの小説が今でもまだ通用するのに対してブラケットの方はそのままではやはり厳しいのかもしれません。
さて、次は「非情の裁き」でも読んでみることにするか。いつになるかはわからないけど。
さて、リイ・ブラケットといえばエドモンド・ハミルトンの奥さん、旦那の方はここ最近、翻訳に恵まれ再評価されているのですが、奥さんの方はそんなそぶりさえありません。ハミルトン人気の昨今、天の邪鬼な私は奥さんのほうも読んでみましたよ。
「赤い霧のローレライ」はレイ・ブラッドベリとの共作ですが、ブラッドベリらしさは皆無。ブラッドベリがブラケットに小説の書き方の教えを受けていたという話なので、物語そのものがブラケット風になってしまったのは仕方ない話かも知れません。
物語的なつながりは無いものの、その他の三つの短編も含めどれも金星を舞台にした物語。金星といっても高温多湿でありながら大気があり、もちろん当然のごとく金星人が住んでいる世界です。発表年は1946年ですが、当時のSF作品と比べてみてもさすがに一世代は昔の設定といわざるを得ません。
基本はヒロイック・ファンタジーなんだけれども、そのつもりで読むと、意外と細かいところでSF的な設定がなされていたりして驚くのですが、やはりここはブラケットのつむぎだすレトロな金星世界のムードに酔いしれながら読むのが正しい楽しみ方ともいえるでしょう。逆にムードを楽しめないと読むのが苦痛かも。まあ意気込んで読んでみたんですが、雰囲気になじめず結構苦痛でした。
「眠れる人の島」が出たのでであれば同系統の話を書いていたリイ・ブラケットの方も、夫婦セットの企画物として出てもおかしくないような気もするのですが、ハミルトンはプロットを完璧に仕上げた上でなければ書き始めなかったのに対して、ブラケットはプロットをろくに作らないで書き始めたといいます。ハミルトンの小説が今でもまだ通用するのに対してブラケットの方はそのままではやはり厳しいのかもしれません。
さて、次は「非情の裁き」でも読んでみることにするか。いつになるかはわからないけど。
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