エリック・マコーマック著 / 増田 まもる訳
河出書房の<奇想コレクション>に収録されてもおかしくない内容。
ウィル・セルフの「元気なぼくらの元気なおもちゃ」よりもこっちの方を入れた方が良かったんじゃないかって思うくらい変な話ばかりだけれども、ビザールでグロテスクでとにかく人体改造したり切り刻んだりされる猟奇的な話が多い。
もっとも全体の雰囲気はからっとしていて、しかも一つ一つのエピソードが短いので、笑って済ませられる話になっているのが救いといえば救いなのだけれども、短編集ならともかくこの人の長編はあまり読みたくないなあ。グロテスクな部分が嫌いというわけじゃなくって、マコーマックの語り口がうますぎて物語世界から抜け出せなくなりそうな感じだから。
だからなんなんだと言いたくなる、オチなどつけるつもりなどないというよりもむしろ物語として着地すらするつもりがない内容ばかりなんだけれども、それが故に物語の中にそのまま取り残されてしまったような感覚が残ったり、もしくは読み続けているうちにいつの間にか視点が変わってしまう騙し絵のようなマコーマックの騙り口はくせになりそうで怖かったりもします。
それ故に期待していた「刈り跡」は全ての作品を読み終えてみると、なんだかあたりまえすぎて普通の奇想話にすぎないように思えてきます。
奇想の部分の奇抜さに惑わされがちだけれどもそれ以外の部分が実は凄い作家だったよこの人は。
ウィル・セルフの「元気なぼくらの元気なおもちゃ」よりもこっちの方を入れた方が良かったんじゃないかって思うくらい変な話ばかりだけれども、ビザールでグロテスクでとにかく人体改造したり切り刻んだりされる猟奇的な話が多い。
もっとも全体の雰囲気はからっとしていて、しかも一つ一つのエピソードが短いので、笑って済ませられる話になっているのが救いといえば救いなのだけれども、短編集ならともかくこの人の長編はあまり読みたくないなあ。グロテスクな部分が嫌いというわけじゃなくって、マコーマックの語り口がうますぎて物語世界から抜け出せなくなりそうな感じだから。
だからなんなんだと言いたくなる、オチなどつけるつもりなどないというよりもむしろ物語として着地すらするつもりがない内容ばかりなんだけれども、それが故に物語の中にそのまま取り残されてしまったような感覚が残ったり、もしくは読み続けているうちにいつの間にか視点が変わってしまう騙し絵のようなマコーマックの騙り口はくせになりそうで怖かったりもします。
それ故に期待していた「刈り跡」は全ての作品を読み終えてみると、なんだかあたりまえすぎて普通の奇想話にすぎないように思えてきます。
奇想の部分の奇抜さに惑わされがちだけれどもそれ以外の部分が実は凄い作家だったよこの人は。
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