ル=グウィン〔著〕 / 清水 真砂子訳
今回の主人公もゲドではなかったのだけれども、「こわれた腕環」を読んだ後だったせいか別に不満を感じることはありませんでした。読者としての自分もちょっとは成長したってことなのかも。
二十年近く経って続編が書かれそれからさらに十年近く経ってその続きが書かれたのだけれども、ゲド戦記はこの巻で区切りがついたと見る方がいいのかもしれません。続きを読むかどうかは未定。続きは確かに気になるのだけれども、作者の変化が続きを書かせたのと同様、読者である自分もある程度の時間を経たほうが良いような気がするからです。何故にル=グウィンが続きを書く気になったのか考えてみるのも一興といえるでしょう。
まあそれはともかく、単純明快な娯楽要素は欠落してしまっていると言っていいぐらい少ないんだけれども、相変わらず非常に面白い。しかし、三作目ともなると欲が出てくるわけで、娯楽要素などはいらないけれども、もう少し描いて欲しい部分が多々存在します。あまりに抽象的というかほのめかしレベルの省略され具合は、実のところそこまで作り込んでいないからそういうふうにしか書けないんじゃないかって思いたくもなってくるのですが、それってゲドの魔法に疑いをもったアレンと同じレベルのあさはかな思いであって、ああやっぱり自分の考えなどル=グウィンの手のひらの上でいいように転がされているのだなあと思い知らされたり。
通して読んでみて、一番面白かったのはやはり「影との戦い」かな。追放されて寂れた小さな島で生活をしている老人と老女のエピソードが胸を打ちます。
二十年近く経って続編が書かれそれからさらに十年近く経ってその続きが書かれたのだけれども、ゲド戦記はこの巻で区切りがついたと見る方がいいのかもしれません。続きを読むかどうかは未定。続きは確かに気になるのだけれども、作者の変化が続きを書かせたのと同様、読者である自分もある程度の時間を経たほうが良いような気がするからです。何故にル=グウィンが続きを書く気になったのか考えてみるのも一興といえるでしょう。
まあそれはともかく、単純明快な娯楽要素は欠落してしまっていると言っていいぐらい少ないんだけれども、相変わらず非常に面白い。しかし、三作目ともなると欲が出てくるわけで、娯楽要素などはいらないけれども、もう少し描いて欲しい部分が多々存在します。あまりに抽象的というかほのめかしレベルの省略され具合は、実のところそこまで作り込んでいないからそういうふうにしか書けないんじゃないかって思いたくもなってくるのですが、それってゲドの魔法に疑いをもったアレンと同じレベルのあさはかな思いであって、ああやっぱり自分の考えなどル=グウィンの手のひらの上でいいように転がされているのだなあと思い知らされたり。
通して読んでみて、一番面白かったのはやはり「影との戦い」かな。追放されて寂れた小さな島で生活をしている老人と老女のエピソードが胸を打ちます。
コメント
スタジオジブリ・プロデュース 「ゲド戦記歌集」
素朴だけどずっと心に残る歌。何度でも聴きたくなる歌。心を動かされずにはいられない歌――宮崎吾朗さんの歌詞と手嶌さんの優しい歌声が、楽曲が見事にマッチしていて、じんわりと涙が出ました。
ゲド戦記の原作本
無数の島々と海からなるアースシー(EARTHSEA)。 並はずれた魔法の力を持つ男ゲドの波瀾万丈の生涯を軸に、アースシー世界の光と闇を描く壮大な物語。 スタジオジブリで映画化されたゲド戦記の原作本を紹介しています。つづく…