ジム・トンプスン著 / 三川 基好訳
ノワールは好きじゃないんですがこの本は出た当初、ちょっと気になっていた本でした。
さらにはその年の「このミス」で海外部門一位になったりして、気になる度が高くなっていたので文庫化されたのを機に読んでみることにしました。
で、読んでみるとこいつは面白い。主人公のイカレっぷりが凄いねえ。
主人公は人口1280人あまりの田舎町の保安官で、自分のことを保安官と思っていないなめきったやつらのことやら、口うるさい妻のことやら、ちょっと頭のいかれた妻の弟のことやら、浮気相手のことやら、その旦那のことやら、保安官選挙のことやらと、とにかく心配事が一杯。悩みに悩み考えたすえに出た結論が、自分にはどうしたらいいのか見当も付かないと言う結論。
どうしようもないという結論が出たので、知り合いの保安官のアドバイスを受けにいって、そうして何をし始めたのかと言えば、悩みの種となる人間を殺しまくることでした。
目の前の石が邪魔だったからけっ飛ばしただけだってぐらいにしか思わない罪悪感の無さと、無計画性。そして主人公が最終的に導き出す結論の凄いこと凄いこと。時代的には1900年代前半、まだ人種差別の激しかった時代の話であり黒人差別のエピソードも登場するんだけれども、主人公は意外にも黒人を助けたりします。しかし読者の思惑とは裏腹に、自分の損得勘定で行動しているだけであって、心配の種となれば白人だろうが黒人だろうが女であっても、皆平等に殺します。
噂に違わず傑作でした。
さらにはその年の「このミス」で海外部門一位になったりして、気になる度が高くなっていたので文庫化されたのを機に読んでみることにしました。
で、読んでみるとこいつは面白い。主人公のイカレっぷりが凄いねえ。
主人公は人口1280人あまりの田舎町の保安官で、自分のことを保安官と思っていないなめきったやつらのことやら、口うるさい妻のことやら、ちょっと頭のいかれた妻の弟のことやら、浮気相手のことやら、その旦那のことやら、保安官選挙のことやらと、とにかく心配事が一杯。悩みに悩み考えたすえに出た結論が、自分にはどうしたらいいのか見当も付かないと言う結論。
どうしようもないという結論が出たので、知り合いの保安官のアドバイスを受けにいって、そうして何をし始めたのかと言えば、悩みの種となる人間を殺しまくることでした。
目の前の石が邪魔だったからけっ飛ばしただけだってぐらいにしか思わない罪悪感の無さと、無計画性。そして主人公が最終的に導き出す結論の凄いこと凄いこと。時代的には1900年代前半、まだ人種差別の激しかった時代の話であり黒人差別のエピソードも登場するんだけれども、主人公は意外にも黒人を助けたりします。しかし読者の思惑とは裏腹に、自分の損得勘定で行動しているだけであって、心配の種となれば白人だろうが黒人だろうが女であっても、皆平等に殺します。
噂に違わず傑作でした。
コメント
>ノワールは好きじゃないんですが
僕もご同様です。エルロイとか馳星周とか一応読んだけどだめでした。
トンプスンは『内なる殺人者』を持ってますが、長いこと積ん読状態になってます。今度読んでみるかな。
「内なる殺人者」も面白そうなんですが、こちらはシリアス系みたいなのでちょっと躊躇しています。
「ポップ1280」はとぼけたユーモアがあったのでわりと面白く読むことができたんですよ。