田中 哲弥著
全五話の短編が最後にはうまいこと繋がる時間SFなんだけれども、あれやこれや細かいところがどういう風に繋がったんだろうと突き詰めて考えようとすると、どうも細かい部分が省かれすぎてうまいこと繋がらなくって、なんだかものすごく不安定な土台の上において成り立っているようなお話。
そもそもそれぞれの短編がどういう時系列になっているのかなんて終盤にならなければわからない上に、最初の二話などは時間SFというそぶりさえ見せないので、本当にこれが時間SFなのか不安にすらなってきます。といっても最初の二話は語り口の軽快さも手伝ってかなり面白い話になっているので時間SFでなくってもいいなあという気にもさせられます。
しかし、三話目になると急展開、いきなりシリアスかつ悲劇的な話。四話目では世の中がある意味悪夢的な世界と化していて、面白いんだけど悲惨で、コメディだけどシリアスと、両方入り交じっていてよくわからなかったりする話となっていますが、物語はやっぱり悲劇で終わります。最終話でそれら全てがうまくまとまり、最後はハッピーエンドを迎えるんだけど、なんだかうまいこと作者に騙されたような気分。
もっとも、気持ちいい騙しっぷりなので損はしてませんが。
そもそもそれぞれの短編がどういう時系列になっているのかなんて終盤にならなければわからない上に、最初の二話などは時間SFというそぶりさえ見せないので、本当にこれが時間SFなのか不安にすらなってきます。といっても最初の二話は語り口の軽快さも手伝ってかなり面白い話になっているので時間SFでなくってもいいなあという気にもさせられます。
しかし、三話目になると急展開、いきなりシリアスかつ悲劇的な話。四話目では世の中がある意味悪夢的な世界と化していて、面白いんだけど悲惨で、コメディだけどシリアスと、両方入り交じっていてよくわからなかったりする話となっていますが、物語はやっぱり悲劇で終わります。最終話でそれら全てがうまくまとまり、最後はハッピーエンドを迎えるんだけど、なんだかうまいこと作者に騙されたような気分。
もっとも、気持ちいい騙しっぷりなので損はしてませんが。
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