D.アダムス著 / 安原 和見訳
なによりも大森望の解説を読んでうなってしまった。
うーむ、「さようなら、いままで魚をありがとう」やこの本を、旅の終わりの結末としてみれば悪くない話だなあと思ってしまったのはやっぱり歳をとったせいだったのだ。
そんなわけだからあわてて、こんな話は絶対認めんぞ、<銀河ヒッチハイク・ガイド>シリーズは一作目と二作目だけが最高で、後の話はカスだ。と叫び直そうと思ったとしてももう遅い。心のどこか奥底では確かにそう思っているのだけれども、やはり四作目と五作目を赦してしまう自分がいる。
それにしてもこの凄まじいまでの喪失感はいったいどうしてなんだろうか。やっていることはというよりも、起こっていることは今までとほとんど変わりはないのに、これだけのトーンの違い、そしてラストの一文。<銀河ヒッチハイク・ガイド>シリーズでこんな文章を読まされる羽目になるとは思ってもみなかったよ。
しかし、平行宇宙の存在が登場した以上、結局これはもう一つの世界の話であって、今回登場したアーサー・デントは愛する人を失った世界のアーサー・デントであって、別の宇宙では幸せな生活を送っているアーサー・デントがいるのに違いない。
二回に一回はやっぱり地球が壊されたとしても、無限をどんな有限数で割ったとしても無限であって、違う結末を迎えたアーサー・デントたちが無数にいるはず。
そして、締め切りまで後一週間となり、ホテルに缶詰にされて六作目を書いているダグラス・アダムスも、やはりどこかにいるのだ。
ただ運が悪いことに、そういう宇宙に私は生まれなかっただけなのである。
うーむ、「さようなら、いままで魚をありがとう」やこの本を、旅の終わりの結末としてみれば悪くない話だなあと思ってしまったのはやっぱり歳をとったせいだったのだ。
そんなわけだからあわてて、こんな話は絶対認めんぞ、<銀河ヒッチハイク・ガイド>シリーズは一作目と二作目だけが最高で、後の話はカスだ。と叫び直そうと思ったとしてももう遅い。心のどこか奥底では確かにそう思っているのだけれども、やはり四作目と五作目を赦してしまう自分がいる。
それにしてもこの凄まじいまでの喪失感はいったいどうしてなんだろうか。やっていることはというよりも、起こっていることは今までとほとんど変わりはないのに、これだけのトーンの違い、そしてラストの一文。<銀河ヒッチハイク・ガイド>シリーズでこんな文章を読まされる羽目になるとは思ってもみなかったよ。
しかし、平行宇宙の存在が登場した以上、結局これはもう一つの世界の話であって、今回登場したアーサー・デントは愛する人を失った世界のアーサー・デントであって、別の宇宙では幸せな生活を送っているアーサー・デントがいるのに違いない。
二回に一回はやっぱり地球が壊されたとしても、無限をどんな有限数で割ったとしても無限であって、違う結末を迎えたアーサー・デントたちが無数にいるはず。
そして、締め切りまで後一週間となり、ホテルに缶詰にされて六作目を書いているダグラス・アダムスも、やはりどこかにいるのだ。
ただ運が悪いことに、そういう宇宙に私は生まれなかっただけなのである。
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