元長 柾木著 / 緒方 剛志イラスト
SFマガジンに掲載された短編はちょっとひねった作品だったのですが、こちらはひねりなしのど真ん中のボーイミーツガール。
あまりにど真ん中過ぎたので逆に新鮮に感じてしまいましたよ。たまにこういう話を読むのはいいなあ。
もっとも、ど真ん中といっても設定のほうはど真ん中ではなくひねってあります。
広島に原爆が落ちなかった世界の話。落ちなかったと言ってもエノラ・ゲイが原爆を落とそうとした瞬間にエノラ・ゲイを中心とした空間が固定されてしまったという設定。その為五十年以上経った今でも、エノラ・ゲイは広島上空で固定されたまま。アメリカが世論の反発を受けて第二の原爆を落とすことが出来なくなったのだが、日本も戦争を継続するだけの体力が無く、膠着状態となってしまう。
戦闘行為はなくなり、というよりも出来なくなるのだが停戦はなされないまま現在に至り、形式上は戦争状態だが外国への人々の行き来はある程度は許されているというなかなか面白い設定です。
エノラ・ゲイが固定されてしまったという現象に異世界の力が関係し、異世界の力を使った彼岸技術やら改造人間やらが登場し、まあとにかく人が死にます。名前がついた登場人物でも大抵は死にますというか、すぐに死んでしまう登場人物に対しても名前が付けられているところがある意味律儀な作者なんですが、情け容赦なくヒロインによって人体のパーツ化されたりミンチにされるわけですよ。すがすがしいくらいに。
しかし、イラストの緒方剛志は忙しいのかどうなのかはわからないけれども相変わらず細部にこだわらないようで、丁半ばくちのシーンで作中では二つの賽子なのにイラストの方では賽子を三つ描いていたりしていて、だれか指摘する人はいないのだろうか……いないんだろうなあ。
あまりにど真ん中過ぎたので逆に新鮮に感じてしまいましたよ。たまにこういう話を読むのはいいなあ。
もっとも、ど真ん中といっても設定のほうはど真ん中ではなくひねってあります。
広島に原爆が落ちなかった世界の話。落ちなかったと言ってもエノラ・ゲイが原爆を落とそうとした瞬間にエノラ・ゲイを中心とした空間が固定されてしまったという設定。その為五十年以上経った今でも、エノラ・ゲイは広島上空で固定されたまま。アメリカが世論の反発を受けて第二の原爆を落とすことが出来なくなったのだが、日本も戦争を継続するだけの体力が無く、膠着状態となってしまう。
戦闘行為はなくなり、というよりも出来なくなるのだが停戦はなされないまま現在に至り、形式上は戦争状態だが外国への人々の行き来はある程度は許されているというなかなか面白い設定です。
エノラ・ゲイが固定されてしまったという現象に異世界の力が関係し、異世界の力を使った彼岸技術やら改造人間やらが登場し、まあとにかく人が死にます。名前がついた登場人物でも大抵は死にますというか、すぐに死んでしまう登場人物に対しても名前が付けられているところがある意味律儀な作者なんですが、情け容赦なくヒロインによって人体のパーツ化されたりミンチにされるわけですよ。すがすがしいくらいに。
しかし、イラストの緒方剛志は忙しいのかどうなのかはわからないけれども相変わらず細部にこだわらないようで、丁半ばくちのシーンで作中では二つの賽子なのにイラストの方では賽子を三つ描いていたりしていて、だれか指摘する人はいないのだろうか……いないんだろうなあ。
コメント