ウィリアム・モール著 / 霜島 義明訳
瀬戸川猛資が「夜明けの睡魔」で褒めていたということだったのだけれども、「夜明けの睡魔」も「夢想の研究」も読んでいるくせにそのことに触れた文章が全く覚えていない。
フレッド・カサックの「殺人交叉点」を褒めていたのは覚えているのだけど、これは都筑道夫がフランスミステリをあまり評価していなかったことと同じく、瀬戸川猛資も評価していなかったというつながりがあったからだろう。
私の場合はつまるところ、瀬戸川猛資よりも都筑道夫なのである。
まあそれはともかく、読んでみた。
主人公がワイン商という設定のせいかやたらと酒を飲んでいるのが印象に残る。で、ワインと犯人を追い詰めるという趣向といえば、刑事コロンボの「別れのワイン」を思い出してしまう。
あれは名作の部類に入る話だったし、なんといっても犯人の造形が素晴らしく、同情を誘う話だったのだけれども、それに比べればこちらの犯人は小物。あまりにも自分勝手過ぎて同情の予知もない。
一方で主人公の方もあまり良いやつでもない。敵にまわすととんでもなくやっかいなので嫌々ながらもとりあえずは味方にはしておきたいと思うような人物でもあるので、最後の文章を読んで、ざまを見ろと思ったくらいだ。
しかし、そんな主人公でも作者は彼を主人公にして後二作書いている。続編では、この事件はちょっとやりすぎたとか言っているらしい。まあ魚を捕るのに爆弾を使ったようなものだ。
読み終えてこんな性格の主人公を作り出した作者がどういうつもりだったのかが一番気になった。
フレッド・カサックの「殺人交叉点」を褒めていたのは覚えているのだけど、これは都筑道夫がフランスミステリをあまり評価していなかったことと同じく、瀬戸川猛資も評価していなかったというつながりがあったからだろう。
私の場合はつまるところ、瀬戸川猛資よりも都筑道夫なのである。
まあそれはともかく、読んでみた。
主人公がワイン商という設定のせいかやたらと酒を飲んでいるのが印象に残る。で、ワインと犯人を追い詰めるという趣向といえば、刑事コロンボの「別れのワイン」を思い出してしまう。
あれは名作の部類に入る話だったし、なんといっても犯人の造形が素晴らしく、同情を誘う話だったのだけれども、それに比べればこちらの犯人は小物。あまりにも自分勝手過ぎて同情の予知もない。
一方で主人公の方もあまり良いやつでもない。敵にまわすととんでもなくやっかいなので嫌々ながらもとりあえずは味方にはしておきたいと思うような人物でもあるので、最後の文章を読んで、ざまを見ろと思ったくらいだ。
しかし、そんな主人公でも作者は彼を主人公にして後二作書いている。続編では、この事件はちょっとやりすぎたとか言っているらしい。まあ魚を捕るのに爆弾を使ったようなものだ。
読み終えてこんな性格の主人公を作り出した作者がどういうつもりだったのかが一番気になった。
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