レイ・ブラッドベリ著 / 吉田 誠一訳
やはり全盛期のブラッドベリはいいなあ。
隔月刊で刊行される異色作家短編集ですが、本来ならば来月の十一月に出る予定だったブラッドベリとレイ・ラッセルの二作品、何故かひと月早い十月に出てしまいました。ペースが早まったのかと思ったのだけども、次は予定通り来年の一月です。
しかし……。
よく考えれば、「十月はたそがれの国」。ブラッドベリの季節です。どうせ出すのなら十一月より十月だよなあ。
というわけで狙って出したのか、早川書房。
語られているのは、ロケットの夏で、火星人で、SFで、ミステリで、ホラーで、ユーモア。思いの外バランスのとれている作品群です。恐竜が出てこなかったのがちょっと惜しかったかな。
潮の満ちていく音が何ともいえない気持ちにさせる「穏やかな一日」から始まってハミルトンの「プロ」と比べるとなんて前向きなんだろうと思ってしまう「初めの終わり」。星々をあれに見立ててしまう「贈り物」なんかは、さすがは流星群を万華鏡に見立てたブラッドベリ、と思ってしまいます。
しかし、意表をついたのが「素晴らしき白服」。服は人なりというこの衣裳哲学の「カエアンの聖衣」そのもののようなお話。まあマシスンの「服こそ人なり」もそうだったんだけど、バカバカしさからすれば「カエアンの聖衣」に近いかな。いやまあ展開は全く違うけど。
隔月刊で刊行される異色作家短編集ですが、本来ならば来月の十一月に出る予定だったブラッドベリとレイ・ラッセルの二作品、何故かひと月早い十月に出てしまいました。ペースが早まったのかと思ったのだけども、次は予定通り来年の一月です。
しかし……。
よく考えれば、「十月はたそがれの国」。ブラッドベリの季節です。どうせ出すのなら十一月より十月だよなあ。
というわけで狙って出したのか、早川書房。
語られているのは、ロケットの夏で、火星人で、SFで、ミステリで、ホラーで、ユーモア。思いの外バランスのとれている作品群です。恐竜が出てこなかったのがちょっと惜しかったかな。
潮の満ちていく音が何ともいえない気持ちにさせる「穏やかな一日」から始まってハミルトンの「プロ」と比べるとなんて前向きなんだろうと思ってしまう「初めの終わり」。星々をあれに見立ててしまう「贈り物」なんかは、さすがは流星群を万華鏡に見立てたブラッドベリ、と思ってしまいます。
しかし、意表をついたのが「素晴らしき白服」。服は人なりというこの衣裳哲学の「カエアンの聖衣」そのもののようなお話。まあマシスンの「服こそ人なり」もそうだったんだけど、バカバカしさからすれば「カエアンの聖衣」に近いかな。いやまあ展開は全く違うけど。
コメント
(異色作家短編集)に入れるにしては、それほど「異色」風味が強くない作品集ではありますよね。とはいえ、全盛期のブラッドベリの作品だけあって、すばらしい出来ではあります。
『素晴らしき白服』、たしかにばからしいといえば、ばからしい話ですけど、好きですね。
「素晴らしき白服」は読んでいて真っ先に「カエアンの聖衣」が頭に浮かんでしまったので、にやにやしながら読んでしまいました。一度結びついてしまうと駄目ですね(笑)
それはともかく、この季節にブラッドベリが読めて良かったですよ。