フィリップ・リーヴ著 / 安野 玲訳
おお、早川のシンギュラリティ物ニュースペースオペラよりも面白かったのは何故だ。
児童向けということで、物語の厚みが足らなかったというかもう少しあっても良かったよなあと思ってしまうのは仕方ないけれども、他の都市を求めて移動し、そして喰ってしまうという豪快な設定の前ではそんなものなど些細な問題に過ぎない。
ダーウィンの進化論になぞらえて弱肉強食の淘汰される都市。喰うというのはもちろん例えであって実際はばらして再利用するだけなのだけれども、基本は歯車と車輪とボルトとナットの世界。わけのわからんナノテクだとか電脳空間なんてものは存在しない。インターネットなんてくそ食らえってなもんだ。
あまり細かいつっこみは無しにしたいところなんだけれども、都市どうしが共食いしあっていけば、最終的に残るのはただ一つの都市のみ。自分たちが突っ走っているのは滅びへの道だと言うこともわからないのか、この人達はと思ったものですが、抜かりがないよこの作者。
「移動こそ命。」
悪党の素晴らしい狂いっぷりというかほれぼれするような悪の論理。そこまでの覚悟があるのだったらなんの文句もありません。むしろそんなあなたの壮大なヴィジョンにしびれました。狂ってるなあ。
さらに素晴らしいのは魅力的な登場人物達と、作者の情け容赦ない死なせっぷり。物量作戦でもしているのかってなくらいに魅力的な人物を投入して、身も蓋もなく死なせてしまいます。
この調子で続編もよろしく頼みます。
児童向けということで、物語の厚みが足らなかったというかもう少しあっても良かったよなあと思ってしまうのは仕方ないけれども、他の都市を求めて移動し、そして喰ってしまうという豪快な設定の前ではそんなものなど些細な問題に過ぎない。
ダーウィンの進化論になぞらえて弱肉強食の淘汰される都市。喰うというのはもちろん例えであって実際はばらして再利用するだけなのだけれども、基本は歯車と車輪とボルトとナットの世界。わけのわからんナノテクだとか電脳空間なんてものは存在しない。インターネットなんてくそ食らえってなもんだ。
あまり細かいつっこみは無しにしたいところなんだけれども、都市どうしが共食いしあっていけば、最終的に残るのはただ一つの都市のみ。自分たちが突っ走っているのは滅びへの道だと言うこともわからないのか、この人達はと思ったものですが、抜かりがないよこの作者。
「移動こそ命。」
悪党の素晴らしい狂いっぷりというかほれぼれするような悪の論理。そこまでの覚悟があるのだったらなんの文句もありません。むしろそんなあなたの壮大なヴィジョンにしびれました。狂ってるなあ。
さらに素晴らしいのは魅力的な登場人物達と、作者の情け容赦ない死なせっぷり。物量作戦でもしているのかってなくらいに魅力的な人物を投入して、身も蓋もなく死なせてしまいます。
この調子で続編もよろしく頼みます。
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