梨木 香歩著
ああ、この本はいい本でした。
傑作というような言葉を使うよりも、ただ純粋にいい本と言いたくなります。サルスベリに惚れられてしまう主人公といい、物の怪どうしの仲裁役を買って出たばかりにいっぱしの顔役となってしまう犬のゴローといい、やけに物知りな隣のおかみさんといい、愛すべき登場人物達。
読もう読もうと思っているうちに思いのほかはやく文庫化されたのですが、文庫にするとこんなに薄い本だったとは。
本文だけでみれば180頁ほどなんですが、それで値段の方は380円。昔を振り返ってみれば、私が文庫本を買い始めたころはこの程度の厚さであれば220円ぐらいだったわけで、当時からみればずいぶんと値上がりしたもんだなあとも思うわけですが、今の文庫本の価格帯と比較してみれば380円でこんなにいい本を読めるのはなんだかもったいない気分にもなります。
あっという間に読めてしまうのだけれども、あっという間に読んでしまうのが非常にもったいない。出来ることならば、読み終えた後、記憶を無くして何度も読みたくなる。さらに欲をいえば、須藤真澄あたりに漫画化してもらいたくもなる。「蟲師」の漆原友紀でも可かな。
こういう本は他人にお勧めなどせず、独り占めしたくなります。
傑作というような言葉を使うよりも、ただ純粋にいい本と言いたくなります。サルスベリに惚れられてしまう主人公といい、物の怪どうしの仲裁役を買って出たばかりにいっぱしの顔役となってしまう犬のゴローといい、やけに物知りな隣のおかみさんといい、愛すべき登場人物達。
読もう読もうと思っているうちに思いのほかはやく文庫化されたのですが、文庫にするとこんなに薄い本だったとは。
本文だけでみれば180頁ほどなんですが、それで値段の方は380円。昔を振り返ってみれば、私が文庫本を買い始めたころはこの程度の厚さであれば220円ぐらいだったわけで、当時からみればずいぶんと値上がりしたもんだなあとも思うわけですが、今の文庫本の価格帯と比較してみれば380円でこんなにいい本を読めるのはなんだかもったいない気分にもなります。
あっという間に読めてしまうのだけれども、あっという間に読んでしまうのが非常にもったいない。出来ることならば、読み終えた後、記憶を無くして何度も読みたくなる。さらに欲をいえば、須藤真澄あたりに漫画化してもらいたくもなる。「蟲師」の漆原友紀でも可かな。
こういう本は他人にお勧めなどせず、独り占めしたくなります。
コメント
梨木香歩【家守綺譚】
江戸時代と明治時代の境目で、人々はどうやって気持ちを切り替えたんだろう?
私がその時代に生きてたら、「皆さん、今日から明治時代です! 洋服を着ましょう!」と言われても、意地になって着物を着つづけるかも。周