遠藤 徹〔著〕
出た当初から気になってはいたものの、ホラーだということとあの表紙のせいで読まずにいました。
とはいえ、どうしようもなくひかれるなにかがこの本にはあり続けたのであります。
夜店で売られる「姉」。「姉」と呼ばれ、人と同じ姿をしていながらも人ではない生き物。そんな生き物が夜店で串刺しになった状態で売られている。苦痛を感じることが喜びであるらしい。「らしい」とあくまで断定していないところがまた絶妙な設定でもあります。
読んでみたいと思う気持ちになる事そのものさえも背徳感を感じさせてくれる設定なんですが、それはさておき、夜店が出るということは祭りが行われているということでもあります。で、そのお祭りというのが「脂祭り」。蚊吸豚という異臭を放つ豚のさらに強烈な異臭を放つ脂肪部分を固めて作った御輿「脂御輿」を担いで練り歩くのです。
担ぐ方はもちろんのこと見る方も脂まみれになるお祭り。なんだか吉田戦車の世界を彷彿させてくれます。
頭の中で「姉」や「脂御輿」を吉田戦車の絵に置き換えて読んでみても全然違和感がありません。まあその代わり全然怖くない話になってしまいますが……。
「姉飼」だけでなくその他の短編も吉田戦車の世界に置き換えて読んでも違和感なく読めてしまうから不思議です。ジャングルジムが恋する話だって吉田戦車が描いてもおかしくない気がするし。まあ吉田戦車が描けばホラーではなくギャグになるんだけど、根底となる部分が似ている気がする。
うーむ、どうしようもなくひかれるなにかが吉田戦車だったとは……。
と言うことにしておこう。
とはいえ、どうしようもなくひかれるなにかがこの本にはあり続けたのであります。
夜店で売られる「姉」。「姉」と呼ばれ、人と同じ姿をしていながらも人ではない生き物。そんな生き物が夜店で串刺しになった状態で売られている。苦痛を感じることが喜びであるらしい。「らしい」とあくまで断定していないところがまた絶妙な設定でもあります。
読んでみたいと思う気持ちになる事そのものさえも背徳感を感じさせてくれる設定なんですが、それはさておき、夜店が出るということは祭りが行われているということでもあります。で、そのお祭りというのが「脂祭り」。蚊吸豚という異臭を放つ豚のさらに強烈な異臭を放つ脂肪部分を固めて作った御輿「脂御輿」を担いで練り歩くのです。
担ぐ方はもちろんのこと見る方も脂まみれになるお祭り。なんだか吉田戦車の世界を彷彿させてくれます。
頭の中で「姉」や「脂御輿」を吉田戦車の絵に置き換えて読んでみても全然違和感がありません。まあその代わり全然怖くない話になってしまいますが……。
「姉飼」だけでなくその他の短編も吉田戦車の世界に置き換えて読んでも違和感なく読めてしまうから不思議です。ジャングルジムが恋する話だって吉田戦車が描いてもおかしくない気がするし。まあ吉田戦車が描けばホラーではなくギャグになるんだけど、根底となる部分が似ている気がする。
うーむ、どうしようもなくひかれるなにかが吉田戦車だったとは……。
と言うことにしておこう。
コメント
書店で立ち読んだ際には、途中で気持ち悪くなってすぐさま棚に戻してしまった作品ですが、吉田戦車だと思えば微笑みすら浮かべて読めるような気がしてきました。
また今度チャレンジしてみようと思います。
吉田戦車があの独特なセンスを駆使してホラーを描いたら「姉飼」の世界になるんじゃないかと思っています。
それはともかく、書店でこの本を微笑みながら読んでいる人の半径5メートル以内には近づきたくはありませんねえ(笑)
姉飼
遠藤 徹
姉飼
「姉飼」
遠藤徹・著
角川書店・出版
『怖いというより、ぶっ飛んでいる世界観に圧倒される』
第10回日本ホラー小説大賞受賞作で短編で受賞作は、
「ぼっけえ、きょうてえ」以来だとか。
この著者のそのほかの短編、他3作品が収録されて