山本 弘〔著〕
山本 弘〔著〕
なんだかと学会の本の小説版を読んだような気分。と学会の本を読んだことがない人にとってはお得なんだけどね。
かつて半村良は上手な嘘のつき方として、大部分は真実で構成しほんの少しだけ嘘を入れるのが上手な嘘のつき方だと語ったことがある。そして嘘の部分が少なければ少ないほど大きな嘘は輝くと。
この小説も一見すると小さな真実を積み重ねて大きな嘘をついているかのように見える。しかし、実際のところそうではない。
さまざまな超常現象のデータを書いておいて、これは嘘、これは真実と論理で切り刻んでいるだけであって、ここに書かれた情報は大きな嘘を補強するためにはあまり役立っていない。
むしろ切り刻むための論理がこの本における大きな武器であって、膨大な情報はこの武器の鋭さを見せつけるためだけに存在する。
であるから、その武器にわずかな綻びがあるとそこから大きな嘘は脆くも崩れてしまう。どうも神に関しての切り崩しかたが甘いというか主人公が最後に出した結論も、単に作者がそれが結論になるように決めて書いたからそれが真実となっただけのようにしか思えないのだ。
だからといってそれがこの本の欠陥であるわけではなく、論理を前面に出しすぎたせいでゆとりが無くなってしまっただけなのだ。あまり論理でがちがちになりすぎるのも困ったものだという良い例なのかもしれない。
かつて半村良は上手な嘘のつき方として、大部分は真実で構成しほんの少しだけ嘘を入れるのが上手な嘘のつき方だと語ったことがある。そして嘘の部分が少なければ少ないほど大きな嘘は輝くと。
この小説も一見すると小さな真実を積み重ねて大きな嘘をついているかのように見える。しかし、実際のところそうではない。
さまざまな超常現象のデータを書いておいて、これは嘘、これは真実と論理で切り刻んでいるだけであって、ここに書かれた情報は大きな嘘を補強するためにはあまり役立っていない。
むしろ切り刻むための論理がこの本における大きな武器であって、膨大な情報はこの武器の鋭さを見せつけるためだけに存在する。
であるから、その武器にわずかな綻びがあるとそこから大きな嘘は脆くも崩れてしまう。どうも神に関しての切り崩しかたが甘いというか主人公が最後に出した結論も、単に作者がそれが結論になるように決めて書いたからそれが真実となっただけのようにしか思えないのだ。
だからといってそれがこの本の欠陥であるわけではなく、論理を前面に出しすぎたせいでゆとりが無くなってしまっただけなのだ。あまり論理でがちがちになりすぎるのも困ったものだという良い例なのかもしれない。
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