過度な期待もせず、未読も多かったのもあって思いの外楽しめました。わりと宮部みゆきのセレクションは自分の好みにあっているのかも。
ものすごく久しぶりに再読した「猿の手」は、オチまでわかっているけど、読み返してみるとうまいなあと思います。なんといっても三番目の願いが具体的に書かれていないところがこの話のうまい部分で、もっとも想像力をかき立てられる部分じゃないですかねえ。子供向けに翻訳された「猿の手」では三番目の願いが書かれていたような記憶があるけど……。
で、これを読んだときに思い出したのが藤子・F・不二雄の「カンビュセスの籤」。内容は全く違うんだけど、この話の最後の一コマが主人公の後ろから見た構図になっていて、このときの主人公の表情が描かれていません。
このときの表情を描くのは簡単なんだけれども、描いてしまっていたらこの話がこんなにも切なく辛い話にはならなかっただろうと思います。
その他「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」は最後の一文が秀逸。途中の展開よりも最後の一行にぞくりときました。柏艪舎からも「苦悩のオレンジ、狂気のブルー」として翻訳されているけれどもどちらかといえば今回の浅倉久志訳のほうが自分の好みでした。
最後の一行といえば「のど斬り農場」もそうで、こちらはぞくりというよりも愉快。そりゃそうだよと頷きたくなるよねえ。
こういうホラーなら偶に読んでもいいなあと思わせる一冊でした。
ものすごく久しぶりに再読した「猿の手」は、オチまでわかっているけど、読み返してみるとうまいなあと思います。なんといっても三番目の願いが具体的に書かれていないところがこの話のうまい部分で、もっとも想像力をかき立てられる部分じゃないですかねえ。子供向けに翻訳された「猿の手」では三番目の願いが書かれていたような記憶があるけど……。
で、これを読んだときに思い出したのが藤子・F・不二雄の「カンビュセスの籤」。内容は全く違うんだけど、この話の最後の一コマが主人公の後ろから見た構図になっていて、このときの主人公の表情が描かれていません。
このときの表情を描くのは簡単なんだけれども、描いてしまっていたらこの話がこんなにも切なく辛い話にはならなかっただろうと思います。
その他「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」は最後の一文が秀逸。途中の展開よりも最後の一行にぞくりときました。柏艪舎からも「苦悩のオレンジ、狂気のブルー」として翻訳されているけれどもどちらかといえば今回の浅倉久志訳のほうが自分の好みでした。
最後の一行といえば「のど斬り農場」もそうで、こちらはぞくりというよりも愉快。そりゃそうだよと頷きたくなるよねえ。
こういうホラーなら偶に読んでもいいなあと思わせる一冊でした。
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