- 著 T.H. シャーレッド/
- 販売元/出版社 国土社
- 発売日 1995-11
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「わしには,センス・オブ・ワンダーがないのか?」のおおぎょるたこさんが名作だと言われるので、これはどうしても読まないといけないなあと思ったのが、T・L・シャーレッドの「努力」です。
どんな内容なのかということはおおぎょるたこさんの記事を参考にしてもらうことにして、一つ困ったことは雑誌に掲載されたっきりなので読みたくってもおいそれと読むことが出来ないということです。
しかし、天は私を見放してはいなかったようで、国土社の「タイムカメラの秘密」という本がどうやらこの話らしいことがわかりました。翻訳は福島正実ですから少なくとも変な翻訳にはなっていないだろうと思い、読んでみることにしました。
表紙もなんだか子供に媚びを売っていない大人が持っていてもおかしくないかっこいい表紙です。そりゃもう期待しまくりですよ。
しかし、ゼナ・ヘンダースンではありませんがページをめくれば、ふくらんだ期待も徐々にしぼんできてしまいました。
最初に登場人物の一覧表があります。しかも絵付きで。
その絵が挿絵も含めて村上克己氏です。こんな絵を書く人で、なんだか想像していたのと雰囲気が違います。おまけに文中では一行しか登場せずしかもセリフもない人物まで絵付きで登場人物一覧に載っています。ある意味もの凄い贅沢かつ親切なんですが、なんだか触れてはいけない世界に足を踏み入れてしまった気分です。ええ、この本が悪いのではなく私が悪いのです。
ですので、福島正実も村上克己も素晴らしい仕事をしていました。子供向けのアレンジと言う点では申し分ないんじゃないでしょうかねえ、最後は救いがあって、しかも余韻の残る後味のいい話に仕上がっているので。
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