麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ

麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ

  •  尾関 修一/
  • 販売元/出版社 富士見書房
  • 発売日 2007-01

Amazon/Bk1
第一部は人形作家とその妻、そしてメイドのお話。彼らが住む屋敷は廊下が南側にあり全ての部屋の窓は北側にしかない奇妙な館だった。
病弱なため、部屋に閉じこもったまま一度も姿を見せたことのない人形作家の妻。ふとしたきっかけでその妻の白磁のように白く無表情の顔を見たメイドはある恐ろしい疑問を抱く……。
第二部は民俗学者とその妻、そして二人の姉妹のお話。時代は第一部から数年後。
生まれつき病弱で日光にあたることができない次女のために一家は北側にしか窓のないこの館に引っ越してくる。館の屋根裏部屋には先住者が残していったと思われる日記が置いてあり、そこには数年前にこの屋敷で起こったと思われるとある出来事が書かれていた。
そしてこの屋敷に一人のメイドがやってくるのだが、そのメイドは人形のように無表情、まるで日記に登場したメイドのようであった……。
そして第三部、再び人形作家とその妻が登場する。
第一部の話が第二部では日記という形で補完され、そして第一部のお話がひっくり返される。そして第三部では……という凝った話でした。
二転三転して真相は藪の中になるのかと思ったのですが、最後に全てが腑に落ちる形で決着が付くので、そのあたりがちょっと不満なところ。曖昧なままだった方が好みでしたよ。
しかし、普通だったらこの本がとった形の方が好みなはずなのに、逆の展開を求めてしまったのはやはり全体の雰囲気に影響されたせいかな。

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