- 著 清水 マリコ/
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2007-03-23
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清水マリコが書くファンタジーというのがどうにも肌に合わない。作者の中ではそれなりの整合性を保っているのだろうけれども、私にとっては納得がいかないのだ。
自分の中に清水マリコの世界を描こうとするとどうにも収まりがつかない部分が出てきて、世界を描くことが出来ずにいるのだ。
普通ならばそんな小説はもう沢山だと二度と読まないわけなんだけれども、清水マリコの小説は何故か後を引く。理解できない世界を見せつけられながらも最後は現実の世界に戻ってきてくれるからである。
で、今回は一般向けのお話である。しかしいつものファンタジー要素はしっかりと存在する。そしていつも通りその世界は私の中でうまく収まってくれない世界なのである。
というか、なんだか怪しげな展開になっていく。過去の作品が最後には現実の世界に戻ってくれたのはライトノベルだったからなんじゃないのかっていう不安がよぎるのであった。
ああ、このまま本気モードを出されて今まで見たことのない清水マリコの世界へと突き進んでいかれたらちょっと困ってしまうなあ、などと恐る恐る読み進んでいったら……。
安心した。
現実と虚構の混じり合った世界から、最後は見事に現実の世界を分離して、今回も私を現実へと引き戻してくれたのである。
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