砂の城の殺人

砂の城の殺人

  •  谷原 秋桜子
  • 販売元/出版社 東京創元社
  • 発売日 2007-03-10

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なんだか細かい部分がいちいちと引っかかってしまう話だった。
そもそも探偵役がストーンヒーリングを始めた部分でいきなりつまずいてしまった。何なんだこの後出しじゃんけんみたいな設定は。
論理的思考の持ち主とストーンヒーリングがどうにも結びつかないというか水と油の関係なんじゃないのかと思ってしまうのは俺の偏見なんだろうか。
まあそれはそれとして、次に引っかかったのが舞台となる家の見取り図だ。
普段は綾辻行人の「迷路館」のようなとんでもない館でさえ許容出来るのだけれども、この中途半端に変な屋敷は許容する事が出来なかった。
そもそも何でトイレに小便器が二つもあるのだ。普段からよく客を呼ぶためだからかもしれないのだが、それにしても人里離れたへんぴな場所である、納戸や物置があるくせに客室は何もない、泊まらせることなど考えていなかったのだろうか。ついでに言えば浴室にも便器がある。見た瞬間吹き出してしまったよ。
まあそれもよしとしておこう。
しかし、ミイラ化した人間の首というものは、人がぶら下がってももぎ取れないほど丈夫なのだろうか……。
どれもこれも本筋には影響のない部分である。書かなければぼろが出なかったのにと思うと非常にもったいない気持ちでいっぱいになってしまう。
シリーズ物なので仕方ないとはいえ、どうも基本設定に無理がありすぎて全体に影響を及ぼし始めているんじゃないのかとも思うのだけれども、ミステリとしての部分は悪くないだけに惜しいとしか言いようがない。

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