バビロニア・ウェーブ

バビロニア・ウェーブ

  •  堀 晃/
  • 販売元/出版社 東京創元社
  • 発売日 2007-02-21

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ただひたすら宇宙のでっかさと、静かさを実感することの出来る小説だ。
冒険活劇ではない上に登場人物も少ない。おまけに話が進むに連れてどんどん人が少なくなっていくという展開がよりいっそう宇宙の静けさというか静謐さを感じさせる。
そのため静かさに関しては実感することはできたかも知れないけれども、でっかさに関しては本当に実感できたのかは少々おぼつかない部分もある。そもそも直径1200万キロメートル、長さが全長5380光年のレーザー光束なんておいそれと想像することなんてできるわけがない。
なおかつこのレーザー光束(バビロニア・ウェーブ)は、レーザーといっても一般に想像するような光った線ではなく、目に見える光は出してはいない。それ故にこのバビロニア・ウェーブが見つかったのは探査機が偶然このバビロニア・ウェーブに突っ込んで壊れたからなのだけれども、これだけでっかいものでありながらも見つかけることができたのは偶然であるというこの宇宙のだだっぴろさ。正しい縮尺率で想像することなど不可能に近い。
この途方もなくでかい代物に出合うだけでも読んだ甲斐があるというものだ。

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