もうひとりのぼくの殺人

もうひとりのぼくの殺人

  •  クレイグ ライス/
  • 販売元/出版社 原書房
  • 発売日 2000-03

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眠りをむさぼりすぎた男』に続いて、マイケル・ヴェニング名義で発表された<メルヴィル・フェア>シリーズの二作目。
列車で目が覚めた主人公ジェフリー・ブルーノは自分の物ではない服を着て、ポケットにはジョン・ブレイクと書かれた名刺とジョン・ブレイク宛の手紙が入っている事に気付く。おまけに手にした新聞にはジョン・ブレイクが殺人犯として指名手配されている記事が載っており、自分の顔写真がジョン・ブレイクとして掲載されていた。
という、なんとも強烈な謎から始まり、その後の展開もどことなくウールリッチを彷彿させる展開をしていきます。しかし、出来はけっして悪くはないんだけれども、これだったらウールリッチが書いてもおかしくはないし、ウールリッチのほうが数倍サスペンス色たっぷりに書くことでしょう。というわけで、やはりライスの小説はユーモアが無いと物足りない物があります。
なのでライスファン以外であれば楽しめるのでしょうけども、しかしせっかくライスの小説を読むのであれば、やはりマローン物が一番。
この話もマローン物の一つとして書かれていたら……と思うと非常に残念に思うのです。決して出来が悪くないだけに。

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