- 著 乾 くるみ/
- 販売元/出版社 文藝春秋
- 発売日 2007-04
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ウェブ上でのネタバレ感想を読んでしまっているので、驚きは味わえなかったのだけれども、まあそれは自業自得なので仕方ない。
驚きが味わえなかったから、つまらなかったのかといえばそんなことはなく、読んでいて実に面白かったわけで、それはやはり描かれている時代が自分にとっても感慨深い時代でシンクロ率が100%近かったせいだろう。
いや、要所要所で出てくる単語の懐かしいこと懐かしいこと、章タイトルに使われている曲名も懐かしかったけれども、日本電気のコンピュータN5200が出たときには驚いた。不意打ちを食らったとはこのことで、懐かしすぎるよこれは。
まあ、個人的な懐かしさはともかく肝心のお話の方はといえば、まあ恋愛小説としてみてしまうとありふれた話になってしまうかもしれないけれど、これはこれでいいんじゃないのか。むしろありふれた恋愛物語が最後になって全く違う話に豹変してしまうから凄いわけで、凄い恋愛物語が豹変したんじゃせっかくの仕掛けが生きてこない。
それにしても、細かく見ていくとけっこう大胆に伏線を張っていて、良くできているのがわかる。
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