新編 戦後翻訳風雲録

新編戦後翻訳風雲録

  •  宮田 昇/
  • 販売元/出版社 みすず書房
  • 発売日 2007-06

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戦後「翻訳」風雲録―翻訳者が神々だった時代』の増補改訂版ということで、全体の五分の二ほどの分量が新たに書き加えられたものであるけれども、清水俊二の項がなくなり、福島正実と早川清の項が大幅に削減整理されたので分量的にはほとんど変わりがない。
期待をしていたのが厚木淳の項だったけれども、真面目なひとだったせいかそれほど面白い逸話はなく、旧版が早川書房中心で東京創元社の話題が無かったことにたいするバランス調整的という感じもしないでもない。旧版での間違いを厚木淳が指摘したということも多少は影響しているのかも知れないけれど。
で、その間違いの部分というのが江戸川乱歩が早川に対して翻訳権を譲ってやれといった本のタイトルの部分で、これがドロシー・L・セイヤーズの『ナイン・テイラーズ』だったとは。数年前に早川ミステリ文庫からセイヤーズの『忙しい蜜月旅行』が出たときに、何で早川から出るんだろうなあと不思議に思ったことを思い出してしまった。もちろんこのこととあれとは無関係に決まっているんだけれども、水面下ではいろいろとあるんだろうなあ。

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