- 著 ヘンリー・スレッサー/
- 販売元/出版社 論創社
- 発売日 2007-05
Amazon/Bk1/楽天ブックス
ダークファンタジーコレクションというシリーズの一冊として出てしまっていいのかと思うくらいにダークでもファンタジーでもないヘンリー・スレッサーの短編集。
ハヤカワ・ミステリ文庫から出ている『快盗ルビイ・マーチンスン』では収録されなかった残りの四話が収められている点が素晴らしいところで、こういった配慮がディックの短編集には見られなかったところが悲しいところ。
もっともこれは<ルビイ・マーチンスン>シリーズを待ち望んでいた人向けといったところであって、待ち望んでいなかった人というか、まあ<ルビイ・マーチンスン>シリーズそのものが特別面白いというわけでもなく、どの話も基本的に同じなので、この四話の変わりに別の話が収録されていても良かったんだけどね。
まあそれはともかく、久しぶりのスレッサーだったせいか、純粋に楽しめましたよ。特に表題作はもう大爆笑。こんな馬鹿な話を大まじめにというかなんというか、実際に書いてしまうなんてスレッサーって凄いなあ。
ところで、解説でスレッサーの作風に近いのは星新一だと書いてあるけど、逆だろうって思ったよ。
コメント
「最期の言葉」(ダーク・ファンタジー・コレクション6)
最期の言葉
さる5月25日、論創社より「ダーク・ファンタジー・コレクション」シリーズの1冊として「伯爵夫人の宝石」から約8年ぶりに(ハードカバーとしては初めて)発売されたヘンリー・スレッサーの短編集。解説等に詳細な記述はないが、収録作から察するに本国で19…
はじめまして。トラックバックさせていただきました。
「ルビイ・マーチンスン」ものの収録は確かにうれしかったんですが、やっぱりハヤカワ文庫の方でまとめて欲しかったです。あとそんなに未収録作品を待ち望んでいた「ルビイ」ファンっているのかよ、てな感じもするのですが(未訳があること自体、そんなに知られていなかったと思いますし)。
スレッサーがなぜこのシリーズに組み込まれたかはわかりませんが、せめて解説は別な方にして欲しかったですね。データ云々はともかく、愛情も興味もそっけもない文章はなんだかなあ、という感じです。
げしさん、はじめまして。
ダーク・ファンタジー・コレクションには過剰な期待はしないようにしていますので、とりあえず翻訳者が別な方だっただけでもましかなと思っています。
ただ、これが引き金となって、スレッサーの翻訳が増えてくれるといいですね。