十八時の音楽浴―漆黒のアネット

十八時の音楽浴―漆黒のアネット

  •  ゆずはら としゆき; 海野 十三/
  • 販売元/出版社 小学館
  • 発売日 2007-06-19

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作者には申し訳ないんだけれども「跳訳」なんて言葉を使われると読むのをためらってしまうわけで、それでも読もうとするのであればそれこそ地雷原に飛び込む覚悟がいる。しかし直前に読んでいた本が悪かった。『大久保町は燃えているか』である。なんとなく地雷原に飛び込んでも構わないかなという気分になってしまったのだ。
まあそれはともかく、実際に読んでみると意外なほど原本に忠実な展開をしていることに驚く。未読だった「火葬国風景」のパートなど、この設定は原本通りのものだろうと思っていたら、作者によるオリジナルな追加部分だったりして、追加された設定もそれほど違和感無く組み込まれている。ただ、非常に残念なのは原本の方が面白いということだ。
一方で「十八時の音楽浴」のパートになると意表をつかれる展開を見せる。あくまで原本に忠実な展開を見せるのだけれども、妄想力全開で跳訳にいどんだのか、まるで『家畜人ヤプー』を読んだときのような感覚。まああそこまで凄まじくはないけれども、まさか原本をひたすらエロ方面への解釈を試みるとは思わなかったよ。

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