- 著 セルゲイ・ルキヤネンコ/ウラジーミル・ワシーリエフ/
- 販売元/出版社 バジリコ
- 発売日 2007-06-20
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前作は書店で平台の上に山積みになっているのを長いこと見続けていて、それって結局売れてないんだよなあと思い続けていたし、日本では映画の方もヒットしたという話も聞かなかったしで、続きはもう出ないものだと思っていたら出してくれました。ありがとうバジリコ。
今回はさすがにバトル・ファンタジーではなくってダーク・ファンタジーになっていたけど、どんな傾向の話なのかは承知していたので、期待どおりの展開にもう満足ですよ。
爽快感など全く無し、ただひたすらのしかかってくる重苦しさ、現実を描いているだけですでにダーク・ファンタジーとなり得ているところが凄まじいのだが、ファンタジーといえるだけまだましだと言える。
光の勢力と闇の勢力の戦い、全面戦争をすると世界が滅んでしまうので、協定を結んで休戦状態となっているという設定そのものはありふれた設定ながらも、その状態で出来ることというのが「相手より優位に立つ」ということで、決して中間の位置でバランスを保とうとしているわけではないところが非常に現実的だ。
今回は前作で光の勢力に優位に立たされてしまった闇の勢力の側が反撃をする話で、タイトルからしてそうなる話であることがまるわかりなのだが、最後の数ページになるまでそんな話になるだろうとは思えない展開をする。なので前作と同様、今回も闇の勢力の悪事が成功寸前まで行きながらも最後に失敗する話になるのだろうなあと思っていたら最後に愕然とした。多少腑に落ちない点があるのが惜しいところだけれども、作者に見事に騙されてしまったよ。
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