敵は海賊・正義の眼 神林 長平 早川書房 2007-06 |
わりとコンスタントに出ているなあと思っていたんだけど、実際のところは前作から既に10年も経っていることを知って唖然。昔と比べて気が長くなったといえば聞こえはいいけれども、年を取ったなあと実感。
今回は第三者的な立場から見た海賊と海賊課のお話ともいえるわけで、10年ぶりの新作というせいもあるのか、海賊と海賊課という基本設定の再確認みたいな話でもあった。そのせいで、海賊課の活躍シーンは少なく、やっぱりそういう場面を期待してしまうので、読み終えてもしっくりこないというか物足りない。なんといっても、チーフ・バスターも、ラック・ジュビリーも、オールド・J・カルマも登場しない。できればそれほど間をおかずに今度は彼らが登場する話を書いてもらいたいものだけれども、まあ、次は雪風の第三部になってしまうんだろうなあ。
匋冥はめずらしく人間的な感情をあらわにするし、ラテルもアプロとセレスタンというお荷物キャラが一緒なせいかなんだか角が取れて丸くなってしまった感じ。成長していないようで少しだけ成長しているのだろうか。
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