- 著 佐藤 大/
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2007-07-18
比較するべきことではないのだけれども、『18時の音楽浴 漆黒のアネット』が原本に驚くほど忠実で、翻案という言葉に嘘偽りのないものだったのに対して、こちらは驚くほど原本とかけ離れている。原本を細切れにして、使いたい部分だけ使って好きなように物語ったという感じである。「跳訳」なので、どちらが良い悪いという問題でもないのだけれども、夢野久作の雰囲気を期待した人がいたら、おそらくがっかりしてしまうだろう。個人的には夢野久作世界というよりも藤原カムイの世界に近いような気がした。脳R化した姿とかいかにも藤原カムイが描きそうな感じなんだよなあ。
で、肝心の内容の方はといえば、四百ページ以上ありながら全然完結していない。脳Rの謎もなにも解けていなくて、最後のページに次回の作品名が書かれているくらいなのだ。続ける気なのかこの話を。
まあ、夢野久作らしくはないという点を除けば面白い話なのでシリーズ化されても不思議ではないのだけれども、今のままだと、ビジュアルとしての部分の方が面白さが上回っているので、活字で読むよりかは漫画で読んだ方がより楽しめそうだなあ。
コメント
あのぅ…
Takemanさんも漫画読まれたりするんですか?
変な質問でごめんなさい(-_-)
おや、kanaemonさんではありませんか。
左の「カテゴリ」の一番下にあるとおり漫画も読みますですよ。