- 著 コニス・リトル/
- 販売元/出版社 東京創元社
- 発売日 2007-08
気が付くと列車に乗っていたのだが、記憶を無くしていて何故列車に乗っているのか、自分が誰なのかさえも判らない。
やがて親戚と名乗る一行と合流し、オーストラリア横断列車の旅が続くのだが、殺人事件が起こる。果たして終着駅に着くまでに記憶は戻るのか、そして殺人事件は解決するのだろうか。
という設定はもの凄く魅力的でそれだけでも期待感は高まるうえに、おまけにスクリューボールコメディでもあるということで、どう転んでもつまらないことは無いだろうと思った。しかし、今まで翻訳されなかったということは、やはりそれなりの理由があるわけで、掘り出し物というのはめったに出るものではないということを実感してしまった。
もっとも、これは過剰に期待しすぎてしまった自分が悪いわけで、期待をしなければそれなりに面白いし、まあなんといっても260ページと短い。無駄に長い小説を読まされるよりはこのくらいの長さであれば少々期待はずれだったとしても我慢が出来る。
列車の旅ということでもう少し旅の雰囲気を味わうことが出来れば良かったのだが、旅の雰囲気はあまり味わえなかったのが少し残念。しかし事件の真相はけっこう意外で後味も良いし、終わりよければ全てよしという気分になるから不思議だ。
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