- 著 ジャック・フィニイ/
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2007-09-26
ジャック・フィニイもフレドリック・ブラウンと同様、ミステリも書いているのにそちらの方はないがしろにされているんだよなあ。
といいながら自分だってフィニイのミステリは積読しっぱなしだったので、あまり大きな声では言えないんだけどね。
『盗まれた街』が映画化されたおかげでといってしまっていいのかよく判らないんだけど『完全脱獄』が復刊してしまった。
しかし、文庫にして300ページちょっと。無駄な描写などなく、するするとテンポよく進んでいく。ファンタジー系の作品に見られる、お前はそんなに昔が良いのかとつっこみたくなるような過去への強烈な郷愁要素など微塵もないのもいいなあ。
計画から脱獄までの期間がちょっと短すぎるんじゃないのかとも思うのだけど、脱獄しなければいけない理由といい、脱獄手段といい、どういう形で脱獄するのかという部分がひらめきさえすれば、実際の行動そのものにはそれほど時間は必要ないので、別に問題ないのだろう。
実際に実現可能かどうかは別として、読んでいる分には納得のいく、そして意表をつく脱獄計画で、凄いよフィニイと叫びたくなる。
うーむこれは積読本を発掘して未読のミステリも読まないといけないなあ。
コメント
はじめまして。
miyaviと申します。
いつもサイトを興味深く拝見させていただいております。
私も書評サイトを運営しており、いつも参考にさせていただいております。
http://honnn.blogspot.com/
このたび勝手ながらリンクを貼らせていただきました。
ご迷惑でしたら、お知らせください。
即刻、削除いたします。
ただ、もしよろしければ、相互リンクをしていただけないでしょうか。
そうしていただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
miyaviさんはじめまして。
>いつも参考にさせていただいております。
私のサイトは書評と呼べるほどの物ではなく、単なる感想を垂れ流しているだけですのでお恥ずかしい限りです。
リンクはご自由にしてくださって構いません。
ジャック・フィニイはミステリを書くというイメージが
まったくありませんでした。
でも、このシンプルなタイトルにはひかれます♪
日本だとやはりファンタジー系の作家というイメージが定着していますから仕方ないですよね。
あとがきによると未訳の作品の翻訳の企画もあるとかなので楽しみにしています。