ミサゴの森

ミサゴの森

  •  ロバート ホールドストック/
  • 販売元/出版社 角川書店
  • 発売日 1992-04

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遅ればせながらようやく読み終える。
読み終えてというか読み始めて直にわかったけど、長いことこの本を読まずに来ていた理由がよくわかった。
内容としては興味があるんだけれども、やっぱりこの手の話は自分の好みの話ではないのだ。なので、読もうとすると気合いを入れて読み始めないと途中で脱落してしまうのである。
それほど大きな森ではないのに、中へ入ろうとずんずんと進んでいくといつの間にか森のまわりをぐるっと回って元の場所に戻ってしまう。飛行機で上空を飛ぼうとすると乱気流が発生してどうしても上空を飛ぶことが出来ない。で、その森の中で何が起こっているのかと言えば、神話が具現化しているのだ。この森に何故そのような力があるのかなどという方向へは向かわず、ただひたすらに森の持つ力と神話との結びつけが行われる。そのあたりが自分好みでない部分なんだろう。そもそもここで語られる神話に何の思い入れもないのである。
で、それと同時に何が起こっているのかといえば、父と兄と、主人公である弟が一人の少女を求めて争っているだけなのだ。まあこの少女というのがこの森で発生したミサゴという存在で人外のものなんだけれども、親子の愛憎物語ではそこには僕の求めるワンダーが全く無いのだ。というかこの物語をSFとして読もうとしている時点で既に間違っているのだろうけど。
もっともこういう親子三人、三つどもえの愛憎物語は嫌いじゃないのでどうなるのかとハラハラドキドキしながら読んだわけだが、なんだかうまいこと作者にはぐらかされてしまったような感じだ。というかこの物語を愛憎物語として読もうとしている時点で何かが間違っているのだけれども。
積み残した謎がまだいくつか残っているので続編の翻訳を待ちたいところなんだけれども、さすがは売れなければ続きは出さない角川書店である。カードの<アルヴィンメイカー>シリーズやイアン・M・バンクスの<ゲーム・プレイヤー>シリーズ、ランドル・ギャレットの<ガンダーラ・サイクル>シリーズなどなど、その他にもいっぱいあるけど、どこか他の出版社が続きを引き受けてくれないものだろうか。
と嘆く前に、積読のままになっているイアン・マクドナルドの『黎明の王 白昼の女王』とジョン クロウリーの『リトル、ビッグ』を片づけないといけないなあ。

コメント

  1. シャンプー より:

    はじめまして。
    一度読んでみたいと思います。
    また遊びにきます。

  2. なんやかんやでお正月もおしまいです。
    ブログ楽しみにしています、今年もよろしく。

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