- 著 円城 塔
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2008-01
こういう話は二年に一冊くらいのペースで読むことができたらいいなあと前作の時に書いたんだけれども、それから半年後に出てしまいました。それも二冊続けて。
そんなにハイペースで大丈夫なのかと作者の方を心配したくなるんだけれども、それと同時に、そんなハイペースで刊行されて読みこなすことができるのだろうか私はと自分自身の事も心配になってくる。
それならいっそ文庫化されるまで待てばいいのではないかと思うのだけれども、ピンクの表紙は卑怯だ。ついつい手に取ってレジへと向かってしまったではないか。
で、買ったはいいけれどもなかなか読もうとする決心がつかない。
しかし、どうあがいてもこの本を読みこなすことができないのであればいつ読んでも構わないわけだし、それだったならば今読んでしまって心残りは無くしてしまおうと読み始めてみたわけだけれども、やっぱり全体像が見えない話なんだよなあ。
細部は確かに面白いのだ。日本語の中に遺跡を発見だとか、21世紀が回頭するとか、どこからそんな発想が出てくるのだとただひたすら感心するやら呆れかえるやらするのだけれども、なんだかひたすら核心の部分をはぐらかされているかのようだ。
というわけで、全体を見ようとするとするりとすり抜けられてしまって結局のところ、入力はできるのだけれども処理をすることができなくって、いつまでたっても頭の中でぐるぐる回り放しな話なのである。
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