- 著 内藤 泰弘
- 販売元/出版社 少年画報社
- 発売日 2008-02-27
主人公に対して、絶対に人は殺さないという制約を設けた話というのはそれほど珍しいわけではない。
『トライガン』の主人公も腕は立つのに絶対に人を殺さない主人公だ。
思い起こせば『トライガン』と出合ったのは、一巻のオビでたがみよしひさが絶賛してくれたおかげだった。あのたがみよしひさが絶賛するのだからそれなりのものだろうと思って読んだらあまりの凄さに驚いた記憶がある。
続きが出るのを楽しみにしていたのだが、三巻目がでたあとで掲載紙が休刊となってしまいそこで終わってしまった。
しかし幸運なことに同じ出版社の別の雑誌で続きを出すことになった。少年誌から青年誌へと舞台が移り、タイトルにも「マキシマム」という言葉がついたのだが、そのせいなのかどうなのかはわからないが、「無印トライガン」に比べてハードな展開になっていった。
それまで、少年誌という足かせがあったので押さえていたのか、それともいずれは同じようなハードな展開をさせる予定だったのか作者のみぞ知るというわけだが最終巻で主人公は決断を強いられることとなる。
絶対に人を殺さないと誓った主人公に対して作者は、主人公が人を殺さなければいけない状況を作り出すのである。
さて、作者がどのような結論をだしたのかは読めばわかるのだが、そこまでが『トライガン・マキシマム』の物語なのだ。
そしてその後が「無印トライガン」の結末へと続く。
いや本当はそうじゃないだろうけれども、三巻で中断してしまった「無印トライガン」の着地地点はここなのだ。「マキシマム」になって何処かへ消えてしまったかのように思えて仕方の無かった「無印トライガン」の物語がそこにはあった。
ここまで無事たどりついて、本当によかった。
コメント