- 著 ジョン・スラデック
柳下毅一郎 - 販売元/出版社 河出書房新社
- 発売日 2008-02-19
こうして読み終えてみると、やっぱり自分はSF作家としてのスラデックよりはミステリ作家としてのスラデックの方が好きだと言うことがよく判った。
なんだかスラデックのふざけ具合がどうも自分の好みからちょっとだけずれているんだよなあ。
感触としては筒井康隆に近い感触なんだけれども、筒井康隆をもっとあっさりとさせた感じかな。おそらくその差の部分が好きか嫌いかの分かれ目になっているのだろうなあ。
しかし、なんだかんだ言っても全23編も収録されていると、一つ一つの短編は短いもののかなり読み応えがある。そもそも、わけのわからない話やら、ただ単純に言葉遊びに終始している話もあったりするので、そのあたり真面目に受け止めようとすると疲れるのだ。
スラデックというと不条理ギャグといったイメージが強かったんだけれども、今回はそういった話はわりと少な目で、スラデックにしてはわりとまともな話というか、こんな話も書いていたんだというような話が多いので、ちょっとは安心して読むことが出来たのがよかったよ。
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